バレンタインデーに義理チョコをたくさんもらったときや、自分チョコをついたくさん買ってしまったときなど、チョコレートの食べ過ぎが気になってしまうことってありますよね。
チョコレートを食べ過ぎると病気になってしまうのでしょうか?
甘い物の食べ過ぎで気になるのは糖尿病だと思いますけど、それ以外にも、チョコレートのとり過ぎで起こる健康への影響っていろいろあるんですよ。
チョコレートの食べ過ぎで病気になる?
チョコレートのような甘いものを食べすぎると太ってしまうというのは容易に想像がつきますが、単に太る以外に、病気になるなど、健康に悪い影響はあるのか気になりますね。
チョコレートの食べ過ぎは、体に次のような影響が出る可能性があるんですよ。
チョコレートの食べ過ぎは胃痛 腹痛 胃もたれや嘔吐の原因になる場合も
チョコレートなどの甘いものは、胃の粘膜を刺激し、胃痛・腹痛を引き起こす場合があります。
チョコレートに含まれるカカオの主成分、カフェインによって、過剰に胃酸が分泌されるためです。
ですから、特に胃が荒れているときには、チョコレートは食べないほうがいいのです。
油っぽい食事や、硬くて消化の悪いもの、塩分を多く含むものも胃が荒れているときには避けたほうがいいのですが、甘いものもダメというのはちょっと意外ですね。
胃が荒れていなくても、食べ過ぎは控えましょう。
また、チョコレートに含まれる脂肪分や糖分は消化されにくいですから、食べ過ぎると胃もたれの原因になる場合もあります。
それが吐き気、嘔吐を引き起こすこともありますので、気をつけて下さい。
チョコレートの食べ過ぎは下痢や腹痛の原因になるかも
チョコレートに多く含まれている脂肪分は、胃だけではなく腸も刺激して、働きを活発にしてしまいます。
ですから、チョコレートを一度にたくさん食べてしまうと、便に含まれる水分が十分に吸収されないまま排泄されてしまうのです。
これがチョコレートの食べ過ぎによる下痢の原因です。
また、糖分が多く含まれる食べ物を食べすぎると、お腹が張って腹痛の原因になる場合もあります。
チョコレートにも糖分が多く含まれますから、食べ過ぎには気をつけたほうがいいのです。
ですから、チョコの80%くらいは、脂肪と糖分ということになるんですね。
それでは、食べすぎてしまったら体に影響が出るわけです。
チョコレートの食べ過ぎで便秘になる?
下痢をしてしまうのとは逆に、チョコレートの食べ過ぎで便秘になってしまうとも言われていますが、これについては、否定的な説もあります。
便秘解消には食物繊維が効果的なことは有名ですが、実は、チョコレートに使われているカカオにも食物繊維は豊富に含まれていからです。
そのため、チョコレートは便秘解消に効果を期待できるとも言われているようです。
しかし、だからといって、便秘を予防・改善するために、連日チョコレートをいっぱい食べればいいというわけではありません。
チョコには、脂肪分や糖分が多いですからね。
チョコレートと便秘の関係については、今の所はっきりしたことはわかっていないのですが、糖分のとり過ぎによって胃腸の働きが悪くなって、それによって便秘になるということも考えられます。
糖分は、腸で吸収されにくいためです。
これについては、チョコレートに種類によって含まれる糖分も異なるので、どのチョコを食べるかで影響の出方も変わってくるでしょう。
いずれにしても、チョコレートは一度に食べ過ぎないようにしたほうがいいことには変わりはありません。
チョコレートを食べ過ぎたあとに動悸がすることも
チョコレートには糖分が多く含まれますよね。
糖分の高い食べ物を食べると、血糖値が急激に上昇します。
そうすると、体は、血糖値を一定に保つためにインスリン(インシュリン)を大量に分泌して、血糖値を下げようとします。
それによって、今度は血糖値が急激に下がってしまいます。
すると今度は、再び血糖値を上げようとしてホルモンが分泌されます。
体内で起こるこうした変化によって血管に大きな負担がかかって、動悸がしたり、汗が出たりするのです。
普段から糖分の高い物を多く食べていると、分泌するインスリンをうまく調節できなくなる場合があるので、今は動悸の症状がなくても、チョコなどの甘い物の食べ過ぎには気をつけたいところです。
チョコレートの食べ過ぎで糖尿病になる!?
チョコレートの食べ過ぎで招いてしまうかもしれない病気というと、おそらくこれが一番心配なのではないでしょうか。
糖尿病というのは、インスリンの働きがうまくいかなくなったり、少なくなったりすることにより引き起こされる病気です。
糖尿病になる原因にはいろいろありますが、多いのは、過食(特に高脂肪食)、肥満、運動不足、ストレスが元で引き起こされるケースです。
原因に「過食」とあるように、糖尿病になるのはチョコのような甘いものを食べ過ぎたから、とは限りません。
カロリーを慢性的に取り過ぎることが問題なのです。
糖尿病予防のために気をつけなければいけないのは、チョコレートなどを食べすぎないことももちろんですが、普段の食事の量にも注意して、腹八分目に留めること。
間食を控えることと、1日最低30分程度の運動をすることも、糖尿病の予防には重要です。
糖尿病は一度かかってしまうと一生治りませんので、食習慣には、くれぐれも気をつけましょう。
チョコレートの摂取量は一日どのくらいまで?
では、チョコレートの摂取量は、一日どの程度までにしておけばいいのでしょうか。
厚生労働省、農林水産省が定めている「菓子・嗜好飲料の一日摂取量」は、200kcalが上限です。
これはどのくらいかというと、板チョコにすると35g程度。1枚のうち7分目くらいですね。
板チョコ一枚は280kcal程ですから、一日に板チョコ一枚全てを食べると過剰摂取ということになります。
「菓子・嗜好飲料の一日摂取量は200kcal程度まで」というのは、チョコレート以外のお菓子やジュース、お酒も含んでの量ですから、その分も計算に入れてくださいね。
チョコレートの効能 正しく食べれば健康や美容に効果がある!
これまでチョコレートの害ばかりを紹介してきましたが、過食に気をつけさえすれば、チョコレートには健康や美容にいい効果、効能があるんですよ。
チョコレートで期待できる効能には、次のような物があります。
・動脈硬化を予防する
・老化防止、アンチエイジング
・虫歯の予防
それぞれの健康効果について見てみましょう。
血圧を下げる
チョコレートには「カカオポリフェノール」という成分が含まれます。
カカオポリフェノールには、血管を拡張する効果があるので、血圧を下げる効能も期待できるんですよ。
高血圧の人には嬉しい効能ですね。
動脈硬化を予防する
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、動脈硬化を予防する効果も期待できるんです。
動脈硬化の原因の一つに、LDLコレステロールという悪玉コレステロールの酸化があります。
カカオポリフェノールは、そのLDLコレステロールの酸化を防ぐので、動脈硬化の防止に効果が期待できるというわけです。
老化防止 アンチエイジング
ポリフェノールがアンチエイジングに効果的というのは、結構有名だと思います。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが持つ抗酸化作用は、シミやシワの原因になる、体内の活性酸素の働きを抑えてくれるのです。
そのため、チョコレートも適度に食べれば、美容に効果を期待できるんですよ。
虫歯の予防
チョコレートのこの効能は、ちょっと意外だったかもしれませんね。
甘いものを食べると虫歯になると、よく言われますからね。
実は、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、殺菌作用もあるんです。
ですから、虫歯の原因菌の働きも抑えてくれるんですよ。
虫歯だけではなく、歯垢もできにくくしてくれます。
とはいえ、チョコレートにはカカオポリフェノールだけではなく糖質も含まれますから、後でしっかり歯磨きしないと虫歯になりやすくなってしまいます。
カカオポリフェノールの一日の摂取量は?
こうした健康効果のためにチョコレートを毎日食べるなら、カカオポリフェノールが多く含まれる高カカオチョコレートを選ぶといいでしょう。
カカオポリフェノールの一日の摂取量は、200~500mg程度が適量です。
市販の高カカオチョコレートですと、5gあたり100~160mgくらいカカオポリフェノールが含まれます。
体の中に入ったカカオポリフェノールは、効果が2~3時間程しか持続しませんから、一度にまとめて食べずに、少しずつ小分けにして食べるといいですよ。
毎食後や、仕事の前後などですね。
チョコレートの保存って冷蔵庫に入れておけばいいの?
バレンタインデーにたくさんもらった義理チョコや、ついたくさん買ってしまった自分チョコなどを一度に食べ過ぎないようにする場合、保存方法にも気をつけましょう。
冷蔵庫に入れておけばいいと思いがちですが、ただ入れておけばいいというわけではありません。
場合によっては、冷蔵庫に入れておいても、かえって美味しさが失われてしまうんですよ。
チョコレートは、高い温度で溶けてしまうだけではなく、湿度や光にも弱いのです。
湿気は成分を変化させ、光は油分や乳成分を劣化させてしまいます。
ですので、チョコレートを冷蔵庫で保存する時は、アルミホイルで包んだ上で、それをさらにジップロックなどに密封しておくのがいいのです。
それによって、湿気と光、両方からチョコを守ることができます。
また、ジップロックなどに入れることで、冷蔵庫内の他の食材のニオイが移ることも防げます。
冷蔵庫からチョコレートを出す時は、入れていたものを全て出さずに、食べる分だけ出すようにしましょう。
冷えたチョコレートを常温に戻すと結露がつくからです。
チョコレートは湿気に弱いですからね。
冷蔵庫からチョコレートを出したら、すぐには食べずに、しばらく置いておいて常温に戻すのがおすすめ。
チョコレートは20度前後で一番口溶けがよく、美味しく感じられます。
冷蔵庫から出した直後の冷たいチョコは、口溶けが悪く、一番美味しい状態ではありません。
いちいち置いておくのが面倒なら、チョコレートを設定温度が高めの野菜室に保存しておくといいでしょう。
商品に保存についての説明が書いてあるなら、それに従って下さい。
まとめ
チョコレートの食べ過ぎは、胃痛、下痢、吐き気など、胃腸の不調の原因になる可能性があるので、控えたほうがいいですね。
でも、適度に食べれば、チョコレートは健康や美容に効果があります。
チョコに含まれるカカオポリフェノールが血圧を下げ、動脈硬化や虫歯を予防し、老化防止にまで効能が期待できますから、過度にならないように摂取したい食材です。
チョコを食べ過ぎると糖尿病になる危険もありますが、糖尿病は、甘いものを食べ過ぎるとなるというわけではありません。
甘いものに限らず、カロリーの過剰摂取を続けることが問題ですので、甘い物の食べ過ぎだけではなく、食生活にも気をつけましょう。