ひな祭りが終わったら雛人形は片付けますけど、収納の仕方で悩むんですよね。
おひな様をしまうのが遅いとお嫁に行くのが遅れるっていうのはよく聞きますが、それだけではなく、しまっている間のカビとか害虫なんかも心配です。
害虫対策として防虫剤を使う場合、どんな物をどのように入れておけばいいのでしょうか?
効果的なカビ対策は?
カビ対策のための陰干し方法は?
ここでは、こんな疑問の答えをまとめています。雛人形を収納する前の参考にどうぞ。
雛人形を収納するときの防虫剤の種類と入れ方は?
まずは、雛人形に虫がつかないようにするための防虫剤について見ていきましょう。
おひな様も、紙や衣類、お米を食べる害虫である紙魚(シミ)がたかったり、ゴキブリがかじったりすることがありますから、防虫剤でしっかり対策しておく必要があります。
箱に入れてしまっているのだから大丈夫だろうと油断していると、次の年に雛人形を出したときに後悔することになりかねませんよ。
その防虫剤ですが、使われている成分の違う物がいくつもあるんですよね。
・樟脳(しょうのう)
・ナフタリン
・パラジクロロベンゼン
・ピレスロイド系
果たして、雛人形の収納に使うのはどれがいいのでしょうか?
それぞれ、防虫効果だけではなく、人形や付属品を傷めてしまうかもしれない性質があるので、デメリットも知った上で使用する必要があります。
<使用上の注意>
・樟脳(有臭)
プラスチックや、塩化ビニール系のコーティングに反応して、変色、変形させてしまう可能性があります。
・ナフタリン(有臭)
雛人形や付属品を変色、変形させてしまう恐れはありませんが、違う成分の防虫剤と併用はしないように。
・パラジクロロベンゼン(有臭)
金糸、銀糸、金箔に直接触れるように入れておくと、変色させてしまう恐れがあります。
また、プラスチックの付属品には使用不可です。
・ピレスロイド系(無臭)
銅や真鍮、金糸、銀糸、金箔を変色させてしまうことがあります。使用量を守りましょう。
虫だけではなく、魚類、両生類、爬虫類にも有毒な成分です。そのようなペットを飼っているのでしたら、使用には注意して下さい。
雛人形の収納のために防虫剤を使う場合、どれでもいいから入れておけばいいというわけではないんですね。
それだけではなく、防虫剤って、異なる成分のものを併用してもいけないんです。
組み合わせによっては、防虫剤が溶けて油状のシミになってしまうんですよ。
同時に使ってはいけない組み合わせは次のとおりです。
パラジクロロベンゼンとナフタリン
パラジクロロベンゼンと樟脳
ナフタリンと樟脳
去年はナフタリンを入れていたけど、今年からはパラジクロロベンゼンを使ってみよう・・・などということをしても、前に使った防虫剤の成分がまだ残っていて反応してしまう場合もあるので注意して下さい。
お宅にある雛人形や、その付属品の材質・種類に応じて、適切な防虫剤を選んで、正しい量を使ってくださいね。
でも、防虫剤の使用法には「~リットルに~個使用すること」などと書かれていますが、これはちょっと分かりにくいかもしれませんね。
みかん箱の大きさが約40リットルですので、それを目安におおよその量を測って下さい。
次に、雛人形を収納する時の防虫剤の入れ方です。
防虫剤が直接おひな様や付属品に触れるとシミになったりする恐れがありますから、和紙などに包んで入れるようにしましょう。
入れる場所は、収納箱内の上部です。
ガラスケース入りの雛人形でしたら、ケースの中に入れましょう。
雛人形をしまうときのカビ対策は?
雛人形を収納する前には、害虫だけではなく、カビにも注意が必要ですよね。
しまうのが遅くなると婚期が遅れるという言い伝えばかりを気にして、急いで雨の日に片付けたりするのはよくありません。
天気がよくてカラッとした湿度の低い日に収納するのが一番のカビ対策になりますよ。
しまう前に、ちょっと陰干ししておくとベターです。
(おひな様の陰干しの方法は、次の章で詳しく紹介します)
雛人形を収納する場所ですが、湿気は下の方にたまりますから、なるべく高い所にしまったほうがいいですよ。
押し入れの上の段などですね。
箱の下にすのこなどを敷いて風通しをよくしておいたり、押し入れやクローゼットの中に除湿剤を置いておくのもカビ対策になります。
ダンボール箱に雛人形一式を収納している場合、そのダンボール箱にもカビが生えることがありますから気をつけましょう。
しまう場所がないからと、外の物置に入れておくのはよくありません。
そのような場所は寒暖の差が激しく、夏場は高温になりますから、雛人形のような繊細なものを収納するのに適していません。
屋内の押入れなどに収納する場合も、冬場は寒暖の差によって結露が発生することがあります。
カビ対策のために、時々扉を開けて換気をしましょう。
雛人形を収納する前の陰干し方法は?
最後に、雛人形の陰干しの方法について紹介しますね。
天気の良い日が続いて空気がカラッとしている日に、雛人形や箱を数時間陰干しします。
陰干しといっても、別に外に出す必要はありません。
窓を開けた、風通しのいい部屋に置いておくだけで構いません。
陰干しの時間は、少なくても1時間、できれば3時間くらいですね。
しっかり陰干ししげおけば、収納したときに湿気が残ってカビの原因になることもありませんよ。
手の脂が付くとシミ汚れやサビの原因になりますので、雛人形を触るときには、手袋をはめて直接触れないようにしましょう。
陰干しするときに、ついでにホコリを払っておくといいですね。
人形の顔には筆や綿棒を使い、衣装には毛ばたきなどを使いましょう。
付属品の道具類は布で拭きます。
陰干しが終わったら、人形や道具を薄葉紙(うすようし)やティッシュなどで包んで保護してから箱にしまいます。
それで、防虫対策、カビ対策をして収納すればバッチリですね。
まとめ
雛人形を収納するときに使う防虫剤は、使われている成分によっては、人形や付属品の変色、変形、シミの原因になる恐れがあります。
お持ちの雛人形にあった成分の防虫剤を選んで、人形や道具に直接触れないように使用しましょう。
また、異なる成分の防虫剤を併用しても、防虫剤が溶けてシミを作ってしまう事があるので注意してくださいね。
天気の良い日が続いてカラッと乾燥した日に、1時間~3時間ほど陰干ししてから収納すればカビ対策になりますよ。
陰干しの方法は、窓を開けて風通しのいい部屋に置いておけばOKです。
湿気は下の方にたまるので、収納する場所はなるべく高い場所にしましょう。