雛人形のお内裏様とお雛様って、関西と関東だと並べ方が逆なんですよね。
関西では、お内裏様は右でしたっけ? 左でしたっけ?
ここでは、こんなお悩みの答えをまとめています。
他の、三人官女や五人囃子、右大臣、菱餅などの小物の並べ方も写真で紹介していますので、雛飾りを出したはいいけど、並べ方がわからない~! っていう時の参考にどうぞ。
親王飾りでも、三段でも五段でも七段でもこれでバッチリです!
雛人形の並べ方って関西ではどうだったっけ?
雛人形の関西での並べ方は、向かって右側がお内裏様で、左側がお雛様になります。
これは、古代中国のしきたりで、左側(向かって右側)を上座としていた影響なんですね。
左側(向かって右側)のことを『左上座』とか『左上位』と言っていました。
昔の宮中では、帝が上座である左側(向かって右側)にお座りになられていたので、宮中の様子を人形で表した雛人形もそれにならって、お内裏様を左側(向かって右側)に置くようになったのです。
でも、現代の関東では、並べ方が逆になっているんですよね。
それってどうしてなのでしょうか?
それについては最後の章で紹介します。
まずは、雛人形を並べる作業を終わらせましょうか。
お内裏様とお雛様以外の人形や小物の並べ方を次の章で紹介しますね。(写真付きです)
雛人形の並べ方を写真で確認!
それでは、お内裏様とお雛様以外の人形や小物の並べ方を紹介します。
ここからは、関西と関東での違いはありません。
二段目の三人官女の並べ方ですが、立っている女性が2人で、座っている女性が1人のものと、立っている女性が1人で、座っている女性が2人のものとでは、並べ方が違ってきます。
立っている女性が2人で、座っている女性が1人のものでしたら、座っている女性を真ん中に置きましょう。
立っている女性が1人で、座っている女性が2人のものでしたら、その逆に、立っている女性を真ん中に置きます。
両側に女官を立たせる場合は、それぞれ、前に出ている方の足が外側に来るように並べて下さい。
三人官女の手に持たせる小物は、向かって右から、長柄(ながえ)、三方(さんぽう)/島台、提子(ひさげ)になります。
長柄:柄の長い、お酒をつぐ道具です。
三方/島台:祝儀の飾りを置く台です。
提子:白酒をつぐ道具です。長い柄の付いていないほうが提子になります。
(※写真では、両端の官女が左右逆になっていますが、向かって右が長柄で、向かって左が提子というのは、『ひな祭り文化普及協會』のサイトを参照しましたので間違いはないです)
官女と官女の間には、高坏(たかつき)を置きましょう。
三段目には、五人囃子を並べます。(7段飾りの場合)
向かって左から、太鼓(たいこ)、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛、扇の順です。
太鼓、大皮鼓、小鼓の三人が紛らわしいかもしれませんが、太鼓は床に置いていて、小鼓は肩にかついでいるという所で見分けましょう。
ちなみに、扇を持っているのは謡い手さんです。つまり、ボーカルですね(笑)
四段目には、右大臣と左大臣が来ます。(7段飾りの場合)
右大臣が向かって左側です。
どっちが右大臣だっけ? って分からなくなってしまうかもしれませんが、お爺さんのほうが左大臣ですよ。
若いほうが右大臣ですから、向かって左側に並べましょう。
右大臣と左大臣の間に白酒と菱餅を並べます。
五段目には、仕丁(しちょう)の3人を並べます。(7段飾りの場合)
向かって左から、怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸の順になります。
両端に、向かって左側には橘の木を、向かって右側には桜の木を置きましょう。
六段目と七段目には小道具を並べますが、ここに置く小物の並べ方には特に決まりはありません。
ですが、御所車、重箱、御駕籠といった大きいものを七段目に並べて、それ以外の小さめのもの(タンス、火鉢、鏡台など)を六段目に並べると見栄えがいいでしょう。
七段飾りのお雛様を出した方、お疲れ様でした~。
五段飾りでも三段飾りでも、小物や人形の数は違いますけど、基本的な並べ方は同じですからね。
でも、どうして関西と関東では、お内裏様とお雛様の並べ方だけ逆になっているのでしょうか?
最後に、その疑問について次の章で見てみましょう。
雛人形の並べ方が関東と関西で逆なのはどうして?
関西では、お内裏様を左(向かって右側)に置くのは、古代中国の影響で、そちらが上座とされていたからだと、最初の章で紹介しました。
では、どうして関東ではお内裏様とお雛様の並べ方が逆になっているのでしょうか?
これには、西洋の影響があります。
西洋では、右側(向かって左側)のほうが『Right on the first』と呼ばれ、上座とされているんです。
そのため、西洋文明を取り入れ、西洋に並ぼうとしていた近代日本でも、大正天皇の時に上座が右側(向かって左側)に変更されたのです。
そこから、雛人形の並べ方も、関東では逆になり、古都京都を中心とした関西では、それまで通りの並べ方が続いているのですね。
まとめ
雛人形の関西での並べ方は、左(向かって右側)がお内裏様になります。
それ以外の人形や小物の並べ方は、関東と関西では違いはありません。
お内裏様が左(向かって右側)なのは古代中国の影響、それが逆になったのは、近代になってからの西洋の影響と、おひな様一つにも歴史が反映されているんですね。
それでは、よいひな祭りをお過ごし下さい。
飾り付け、お疲れ様でした~。