七夕といえば、織姫と彦星の物語が有名ですよね。
1年に1度、七夕の日にだけ会える織姫と彦星の話は、切なくもロマンチックです。
その織姫と彦星って、夜空に見える星のほうの本当の名前は何なのでしょうか?
2つの星の距離って、実際には何光年離れているのでしょうか?
ここでは、こんな情報についてまとめてみました。
七夕の星の本当の名前って何だっけ?
七夕の織姫と彦星の名前を持つ星というと、「織姫星(織女星/しょくじょせい)」と「彦星(牽牛星/けんぎゅうせい)」とも言いますが、それとは別に天文学上の名前もあります。
織姫が「ベガ」、彦星が「アルタイル」です。
織姫のベガは、こと座で一番明るい星(一等星)で、大きさは太陽の2.7倍あり、重さは太陽の2.5倍です。
地球からは25光年離れているんですよ。
最近の観測では、ベガには惑星が存在する可能性があることがわかったそうです。
彦星のアルタイルは、わし座で一番明るい星(一等星)で、大きさは太陽の1.6倍、重さは太陽の1.8倍です。
ベガのほうがちょっと大きいんですね。
地球からの距離は17光年。
ベガのほうが地球に近いです。
ベガとアルタイル、そして、はくちょう座のデネブという星を結んだものは「夏の大三角」と呼ばれます。
デネブも一等星です。
3つの星の位置関係は、この様になっています。
ベガとアルタイルの間に、2人を分かつように天の川が流れていて、2人の間のちょっと離れたところ、天の川の上にデネブがあります。
実は、このデネブも、七夕の物語で重要な役割を果たしているんですよ。
詳しくは、後で紹介しますね。
織姫と彦星の距離って何光年?
織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)、2つの星の距離は何光年なのでしょうか?
1年に1度の出会いということで、久しぶりに会った2人の距離も気になります。
ベガとアルタイルの距離は、16光年です。
1光年は1年に光が進む距離ですから、この世で最も速い光の速度でも16年もかかる距離にあるんですね。
16光年というのは、キロメートルにすると約9兆5千kmになります。
数が大きすぎて、どのくらいの距離なのか見当がつきません。
地球からアルタイルまでの距離の17光年もずいぶん遠くに感じますけど、それに近いくらい、織姫と彦星は離れているんですね。
地球から見ると、2つの星はすぐ近くにあるように見えますけどね。
デネブは七夕の物語で重要な役割を果たしていた!
先程ちょっと触れた、はくちょう座のデネブの話に戻ります。
実は、1年に1度だけ逢える織姫と彦星ですが、すんなり逢えたわけではないんです。
七夕にまつわる、こんな話が伝えられています。
2人が逢える7月7日に雨が降って、天の川の水かさが増し、織姫は向こう岸に渡れなくなってしまいます。
天の川の川下に上弦の月がかかっていて月の船人がいるのですが、船人は織姫を向こう岸まで乗せてくれません。
すぐ向こう岸に逢いたい人がいるのに、天の川を渡ることができず、2人は涙を流します。
そんな2人の様子を見かねて、一羽の鵲(かささぎ)がどこからともなく飛んできました。
かささぎは翼を広げて天の川に橋をかけ、織姫を向こう岸まで渡してやり、2人はめでたく出逢うことができました。
・・・というお話です。
そのかささぎが橋をかけたのが、デネブがある場所というわけです。
あとがき
以上、七夕の星の正式な名前や、2つの星の距離、織姫と彦星にまつわる物語について紹介しました。
星座の物語ってロマンチックですよね。
昔の人の想像力は本当に豊かです。
七夕の7月7日はまだ梅雨の時期ですが、運良く星空が見えたら、ベガとアルタイル、そしてデネブも探してみてください。