活性酸素は体をサビさせ、老化などの原因になってしまうことは、健康に関心の高い方だったらよく知っていると思います。
でも、健康のためには運動も重要だと考える一方、運動量によっては、活性酸素が多く発生してかえって良くないのではないかと不安になってしまうんですよね。
実際に、過度な運動によって体の中の活性酸素は増えてしまうのでしょうか?
活性酸素を増やさないための運動量はどのくらいなのでしょうか?
かと言って、運動不足になってもいけません。
活性酸素を減らす働きのある食べ物もありますから、運動量と活性酸素の関係とともに紹介しますね。
活性酸素は運動量が多すぎることによって発生してしまう?
ご存知の通り、私たちは呼吸によって酸素を体に取り入れ、二酸化炭素にして吐き出していますよね。
その吸い込んだ酸素が活性酸素になってしまうと、体を酸化させてしまう(さびさせてしまう)というのは、恐ろしいですよね。
体がさびる=老化ですから、この恐ろしい事実を知ったときは、なんとかしないと! そのためにはなるべく息をしなければいいの? と私は思ったものです。
でも、全然運動をせずに生活していたら、かえって健康にも美容にもよくないというのは常識。
そんな不健康な生活をしていても若々しく健康な人なんて、見たことも聞いたこともありません。
しかし、運動量が多すぎると活性酸素が大量に発生してしまい、体のさび=老化を進行させてしまうのは事実なんです。
激しい運動をすれば、その分息が上がって、酸素を多量に体内に取り入れますからね。
私達の体には、元々余分な活性酸素を消す機能が備わっているのですが、運動量が多すぎて活性酸素の量が増えすぎてしまうと、処理が追いつかなくなってしまうのです。
ちなみに、活性酸素というのは、完全になくなったほうがいい、悪いだけの存在ではないんですよ。
活性酸素も、私たちの体に必要な物質なんです。
活性酸素がどんなことで役立っているのかといいますと、体の中にウイルスや細菌が入ってきたときに、白血球から活性酸素が放出されて、それらの侵入者を退治してくれるんです。
でも、役に立ってくれる一方、活性酸素はご存知の通り悪さもします。
私たちの体を作っている細胞は、不飽和脂肪酸という油分で作られている細胞膜で包まれています。
その不飽和脂肪酸に活性酸素は結びつき、酸化させてしまうのです。
これが、活性酸素によって体がさびる(酸化する)という怖いメカニズムです。
なので、アンチエイジングや健康、美容のためには、活性酸素が増えすぎないようにする必要があるんですね。
では、活性酸素が増えすぎないようにするには、運動量はどのくらいにとどめればいいのでしょうか?
活性酸素を増やさないようにするには、軽く息が上がるくらいの負荷の運動を1日に30分くらい行うのが適度だとされています。
これくらいの運動量でできるものというと、ウォーキングや踏み台昇降などがありますね。
これは、30分連続してできなくても、10分の運動を1日に3回やって、トータルで30分になるようにしても大丈夫です。
では、もっと激しい運動をしていたらダメなのかというと、そんなことはありません。
筋力がアップすると代謝が良くなって健康にもいいですから、そういう運動もするべきです。
でも、ハードな運動量になると呼吸の回数も増えますから、活性酸素も多く発生してしまいます。
ですので、その場合は、美容、病気予防、アンチエイジングのために活性酸素を減らす対策をしましょう。
活性酸素を減らす食べ物があるので、次の章で紹介しますね。
活性酸素を減らすには食べ物でも対策を
活性酸素というのは体を酸化させてしまう物質です。
ですので、活性酸素を減らして害を取り除きたいなら、活性酸素を取り除いてくれる抗酸化作用のあるものや、活性酸素自体の発生を抑えてくれるものを多く含む食べ物をとりましょう。
活性酸素を減らすにはどんな食べ物がいいのか紹介しますね。
・緑黄色野菜
私達の体の中には、余分な活性酸素を除去してくれる酵素があるのですが、活性酸素が過剰に発生してしまうと、その酵素でも処理しきれなくなってしまいます。
その処理しきれなかった活性酸素を、緑黄色野菜に含まれるビタミンA、C、Eが抑えてくれるのです。
ビタミンA、C、Eは、3つまとめて「ビタミンエース」とも呼ばれていますね。
まさに、私たちの健康や美容を守ってくれるエースです。
ビタミンA、C、Eは、緑黄色野菜以外にも、次の食材に多く含まれています。
・ビタミンAを多く含む食べ物
ウナギ、ギンダラ、レバー
ただし、緑黄色野菜に含まれるビタミンAとは違って、これらに含まれるビタミンAは脂溶性です。
過剰に取りすぎるとかえって体に害がありますから注意しましょう。
緑黄色野菜に含まれるβカロテンでしたら、体に必要な分だけがビタミンAになるので問題はありません。
・ビタミンCを多く含む食べ物
ビタミンCに関しては、多くの野菜や果物に含まれますので、特に説明は必要ないかと思います。
ビタミンCは水溶性なので、ビタミンAのように過剰摂取を心配する必要はありませんが、とり方に気をつけましょう。
いっぺんにたくさん取るのではなく、3度の食事に取り入れるなどして、小分けにして摂取するようにするといいですよ。
・ビタミンEを多く含む食べ物
魚でしたら、ウナギ、いくら、タラコなどに多く含まれます。
野菜でしたら、モロヘイヤ、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜、大根の葉、赤パプリカなどに多く含まれます。
果実類でしたら、アーモンドや松の実などに多く含まれます。
激しく息の上がるハードな運動をしていて活性酸素の発生が心配でしたら、トレーニングと合わせて、以上の食べ物を積極的にとることで活性酸素を抑えましょう。
活性酸素は運動不足でも増加する?
前の章で少し触れましたが、私たちの体の中には、余分な活性酸素を処理してくれる酵素である、「抗酸化酵素」という物質があります。
でも、運動不足だと、その抗酸化酵素の働きが低下してしまうのです。
ですから、「運動して息が上がったら活性酸素が発生するし、なるべく体を動かさないようにしよう……」なんて思っていると、かえって美容やアンチエイジングのためには良くないんですね。
1日30分くらいの、軽く息が上がる程度の運動でしたら問題はありませんし、運動量がハードになってしまうなら、活性酸素を減らす働きのある食べ物を食べるなどして、適度な運動を心がけるようにしましょう。
運動不足以外にも、活性酸素が発生してしまう原因には次のようなものがあります。
・喫煙
体に有害な物質が入ってくると、白血球はそれを除去するために活性酸素を発生させます。
そのため、タバコの煙を吸い込んで有害な物質を体内に取り込むと、活性酸素が増えてしまうのです。
また、タバコの煙自体にも、活性酸素の一つである過酸化水素が含まれます。
さらに、タバコの煙は、活性酸素を減らす働きのあるビタミンCを破壊してしまうのです。
タバコを1本吸うと、活性酸素は100兆も発生するといいます。
喫煙の習慣がある人は、すぐに禁煙したほうがいいでしょう。
・ストレス
コルチゾールというストレスホルモンが、NK細胞という、免疫系で大事な役割を果たしている細胞を抑制してしまい、そのときに活性酸素も発生します。
・油分の多い食事
腸で分解しきれなかった油は肝臓で解毒されますが、その過程で活性酸素が発生するのです。
・紫外線
紫外線による刺激も、私たちの体に活性酸素を発生させます。
・大気汚染
大気汚染の主要な原因物質である窒素化合物は、強い酸化物質です。
そのため、活性酸素を発生させる原因になります。
紫外線や大気汚染も活性酸素発生の原因になりますから、激しい運動をしていなくても、活性酸素を減らす効果のある食べ物は積極的に食べたいですね。
まとめ
かなり息が上がる激しい運動をすると、確かに活性酸素は発生します。
でも、活性酸素を減らす効果のある食べ物もありますから、そういった食材も積極的にとるようにすれば問題はありません。
活性酸素を減らす効果があるのは、緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンA、C、Eです。
活性酸素の発生を抑えながら運動をしたいのでしたら、軽く息が上がる程度の軽めの運動を1日30分程度するといいですよ。
ウォーキングや踏み台昇降などですね。
運動不足になると、活性酸素を抑えてくれる酵素の働きが低下してしまうので、適度な運動を心がけるようにしましょう。