気分が沈んでしまって何もやる気が起きなくなってしまう、うつってなんとかしたいですよね。
うつの原因の一つがセロトニン不足ですが、このセロトニンを増やしてうつ状態を改善するにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、セロトニン不足がうつを引き起こす原因と、セロトニンを増やす4つの方法、そして、セロトニンを増やすにはサプリでもいいのかについて紹介します。
うつを改善して、スッキリした気分で生活できるようになりたい方は参考にして下さいね。
セロトニン不足はうつの原因になる?
セロトニン不足がうつの原因になるというのは、脳内伝達物質と精神状態の関係に関心のある方でしたら一度は聞いたことがあるでしょう。
脳内伝達物質(正しくは脳対神経伝達物質)には、ドーパミン、ノルアドレナリン、そしてセロトニンの三種類あり、これら3つのバランスがとれていることで自律神経は安定します。
ドーパミンは気力ややる気に関係していて、ドーパミンが不足するとそうした意欲が減退してしまいます。
ノルアドレナリンは『怒りのホルモン』とも呼ばれていて、その名の通り怒りを感じた時や生命の危険に晒された時に多く分泌されるホルモンです。ノルアドレナリンが過剰になると怒りっぽくなったりしますが、不足しても、いい意味での闘争心ややる気がなくなってしまいます。
そしてセロトニンですが、3つの脳内神経伝達物質の中では最も重要な存在です。
と言いますのは、セロトニンがドーパミンとノルアドレナリンの働きを制御しているからなんですね。
ですから、セロトニンが不足してしまうと自律神経のバランスが乱れ、うつにもなりやすくなってしまうというわけです。
また、セロトニンは『幸せホルモン』という別名でも呼ばれている通り、幸福感に重要な役割を果たしています。セロトニンが適切に分泌されることによって幸福感や満足感が得られ、疲労回復もしやすくなるのです。
セロトニンの不足はストレスの蓄積を招き、うつだけではなく慢性疲労の原因にもなってしまうんですね。
セロトニン不足が引き起こす問題はそれだけではありません、過食、アルコール依存症、不眠、ストレスに耐性がなくなって切れやすくなる…など様々です。
どのような症状が出るかは、セロトニン不足によって引き起こされた処理しきれないストレス状態に、どんな反応するかの個人差によって違ってきます。うつになってしまうというのも、そのうちの一つです。
うつになりやすい人が特に多いので、セロトニン不足はうつの原因になると言われているのです。
セロトニンを増やす4つの方法
不足してしまうと大問題のセロトニンをどのようにして増やせばいいのか。それを知るためにまず、なぜセロトニンが不足してしまうのか原因を見てみましょう。
原因その1 陽の光を浴びていない
太陽の光を適度に浴びることでセロトニンは生成されます。
ですが、生活パターンや夜勤などでなかなか日中に外出できないという方もいらっしゃるでしょう。
原因その2 運動不足
運動することでセロトニン神経が鍛えられ、セロトニンがしっかり分泌されるようになります。
適度な運動をしていらっしゃるでしょうか?
原因その3 栄養不足
セロトニンの原料になる栄養素が不足してしまっては、当然セロトニンも足りなくなってしまいますよね。
不摂生な食事をしているしている人だけではなく、ダイエットをしている人も注意が必要です。
セロトニンを不足させてしまう原因には以上の3つがあるわけですから、当然、セロトニンを増やすためにはこれら3つを改善すればいいわけです。
セロトニンを増やす方法その1 日光を浴びる
日焼けするときのように長時間浴びる必要はありません。
朝きちんと起きて、通勤・通学するときに外を歩くだけでも陽の光を浴びますよね。洗濯物を干したり買い物をしたりするときにも日光に当たります。
日常生活の中で適度に外出していれば日光不足になることはないのですが、夜勤などで働いている人や家にこもりがちの人は、できるだけ意識的に日光を浴びるようにしましょう。
紫外線の気になる季節でしたら、日差しのきつくない時間帯に散歩をするのもいいですね。
セロトニンを増やす方法その2 運動をする
運動不足もまた、セロトニン不足を引き起こしてしましますが、何もハードな運動をしなくてはいけないわけではありません。
セロトニンを増やすのにいいのが、一定の動作を繰り返すリズム運動です。
ジョギングやサイクリング、ウォーキング、水泳、エアロビクスなど色々ありますよね。
こうした中で自分の好みに合ったものを30分くらい続けることで、セロトニンの増加が期待できます。
この時に日光に当たることができれば一石二鳥ですね。
セロトニンを増やす方法その3 食事
セロトニンの原料になっているのは、トリプトファンという必須アミノ酸です。
このトリプトファンは質のいいタンパク質に多く含まれているので、そうした食材をしっかり摂ることでセロトニンを増やす効果が期待できます。
そのためにしっかり食べたい食材は、
肉類
魚介類
大豆食品
乳製品
です。
トリプトファンは体内では生成されないので、食事から摂取する必要があります。日々の食事の中でこうした食材が不足している人はしっかり摂るようにしましょう。
また、ダイエット中の方も、肉類や魚類を避けて野菜中心の食生活をしているとトリプトファンが不足してしまいがちですので気をつけで下さいね。
トリプトファンは炭水化物にも含まれているので、ダイエットのために主食を抜くのも好ましくありません。栄養のバランスに気をつけましょう。
それと、これが重要なのですが、セロトニンを増やすためにはトリプトファンだけを摂っていればいいというわけではありません。
トリプトファンからセロトニンを作るためには、ビタミンB6が必要なのです。
ですから、ビタミンB6もしっかり摂るようにしましょう。
ビタミンB6は、鶏肉や豚肉に多く含まれます。
セロトニンを増やす方法その4 早めの就寝
セロトニンが不足する原因として挙げたのは3つでしたが、セロトニンを増やす方法にはもう1つあります。
それが早めの就寝です。
午後10時から午前2時の時間帯は、睡眠のゴールデンタイムと呼ばれています。
この時間に眠りにつくことで成長ホルモンが多く分泌され、新陳代謝が活発になるのです。
セロトニンについても例外ではなく、この時間に就寝することでセロトニンの分泌量も増えます。
ですから、夜更かしをしがちな人は要注意。この時間に起きていませんか?
うつが気になっている人は、この時間にはしっかり寝るようにしましょう。
セロトニンをサプリで補うには
セロトニン不足を改善するためには、これまでに挙げた方法で分泌量を増やすのが理想的ですが、なかなかそうもいかないという方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合にはサプリメントを利用するのも一つの手です。
トリプトファンのサプリがありますから、そういった物を摂取することで効果を期待できます。その時には、トリプトファンからセロトニンを作る働きのあるビタミンB6もしっかり摂るように気をつけて下さいね。
ただし、トリプトファンの過剰摂取には注意が必要です。
トリプトファンを過剰に摂ると『セロトニン症候群』になる恐れがあるのです。
セロトニン症候群になると、頭痛、吐き気、発熱、高血圧、下痢、睡眠障害などの症状が起こります。
食事から摂取した過剰なトリプトファンは体外に排出されるので心配はないのですが、サプリメントで摂ったものに関しては、そうもいかない場合があります。
ですから、セロトニンさえ増やせば体調が良くなると思ってトリプトファンを摂り過ぎると、思わぬ副作用に見舞われる危険があります。
サプリを飲んで体調に異常を感じたら、すみやかに摂取をやめましょう。
まとめ
セロトニンが不足するとうつなどの症状を引き起こす恐れがあります。
日光を適度に浴びる、ウォーキングやサイクリング、ジョギングなどの一定の動作を繰り返す運動を30分位続ける、肉類・魚介類・大豆食品・乳製品をしっかり摂る、夜10時から2時の間に起きていないで早めに寝るという方法でセロトニンを増やす効果を期待できます。
そうした方法を実践しにくいのでしたら、トリプトファンのサプリメントを摂取することでセロトニンの増加を期待できますが、場合によってはセロトニン症候群になる恐れもありますので、過剰摂取には気をつけましょう。
また、トリプトファンからセロトニンを作るにはビタミンB6も必要です。トリプトファンを食事から摂るにしても、サプリから摂るにしても、ビタミンB6もしっかり摂るように気をつけて下さいね。