2月3日は節分。鬼は外~、福は内~と掛け声を言いながら、家で豆まきをしようと考えているご家庭も多いかと思います。
でも、家族の一員に犬がいると心配もあるんですよね。
「犬って、節分の豆を食べても平気なの?」
ここでは、犬が節分の福豆や落花生(ピーナッツ)を食べることに危険はないのかについてと、犬がいてもできる豆まきの方法について紹介しています。
犬が豆まきの節分豆を食べるのは大丈夫?
犬って、人間が落としちゃった食べ物をタタッーと走ってきて、パクッと食べちゃったりしますよね。
節分で豆まきなんてしようものなら、駆けずり回ってパクパク食べてしまうかも・・・。
犬が豆を食べることは大丈夫なのかどうか気にせず与えてしまう人もいて、特に何の問題も出ていないというケースもあるようですが、実は、犬に豆ってよくないんですよ!
犬に豆は消化不良の原因にも!
豆というのは、食物繊維が豊富です。
ですから、人間でも豆を食べ過ぎると下痢をしたり、ガスが溜まって腹部膨満になることがあるんですよ。
犬というのは、元々肉食動物だったのが雑食へと進化した生き物ですから、人間以上に食物繊維の消化は苦手なんです。
豆には食物繊維だけではなく、植物性タンパク質も豊富に含まれます。
植物性タンパク質も、犬は消化吸収することが苦手です。
犬に豆を食べさせるとアレルギーになるケースも!
犬に豆を食べさせても、ちょっとお腹をこわす程度ならまだいいのですが、それだけでは済まなくなる恐れもあるんです。
豆類には、「トリプシンインヒビター」という成分が含まれます。
トリプシンインヒビターというのは、膵臓から分泌されるトリプシンという分解酵素の働きを邪魔してしまう物質です。
トリプシンがタンパク質を分解してくれるのに、トリプシンインヒビターがその働きを邪魔してしまうせいで、豆類等に含まれるトリプシンインヒビターを摂取した多くの哺乳類は下痢などを起こしてしまうんです。
そのため私たち人間は、煮たり焙煎したりして熱を加えて、トリプシンインヒビターを壊してから豆を食べています。
豆を加熱することでトリプシンインヒビターを壊すことができるのですが、それでもある程度は残ってしまうので、炒り豆だったら犬に食べさせても安全とはいきません。
犬は、トリプシンインヒビターの消化に人間以上に時間がかかってしまう上、たくさん食べたら、下痢や嘔吐、更にはインシュリンが過剰に分泌されて膵臓障害を引き起こす恐れもあります。
それだけではなく、免疫に異常が生じてアレルギーになるケースもあるんです。
節分の豆まきで使われる煎り大豆は、加熱してあるとはいえ、それが十分かどうか微妙ですから、与えないようにしたほうが無難でしょう。
大豆ミート、豆腐、おから、納豆などの豆類の加工食品は犬に食べさせても大丈夫なのですが、それでもたくさん与えるのはダメです。
犬には、動物性タンパク質中心の食事にすることが必要なのです。
豆を喉につまらせてしまうかも!
豆に含まれる食物繊維や植物性タンパク質、トリプシンインヒビターが犬にとってよくないだけではありません。
食べ物をそのまま飲み込んでしまう犬もいますから、特に、食道の細い子犬や小型犬には注意しましょう。
豆を喉につまらせてしまう危険があります。
喉を通ったとしても、胃の入口や出口に詰まってしまう可能性もありますし、排泄される時に、未消化の豆が出口を傷つけてしまうこともあります。
犬が落花生を食べることに問題はない?
最近では、節分の豆まきで大豆の代わりに落花生(ピーナッツ)をまく家庭も多いようですね。
犬が落花生を食べても大丈夫なのでしょうか?
落花生も食物繊維が多い上、成分の約50%が脂質なので、犬に食べさせると消化不良や下痢を起こす可能性があります。
それだけではなく、脂肪(一価不飽和脂肪酸の一種のオレイン酸)が多いことは、食べ過ぎによって膵炎を引き起こす原因にもなりうるんです。
また、大豆よりも粒が大きいですから、小型犬や子犬が丸呑みしたら、喉や食道、腸に詰まる恐れも更に大きいです。
落花生自体は、敢えて積極的に与える必要はない食材ですが、殻をむいて実をつぶしたものを少量だったら犬に食べさせても平気です。
でも、節分の豆まきででピーナッツをまいたら、殻ごとバリバリ食べてしまうかもしれませんから気をつけましょう。
豆まきで部屋が汚れない方法なら犬が食べないのでは!?
節分の豆まきをしている時に犬が拾い食いをしないようにするには、犬をケージの中に入れておくという手もありますね。
他にも、豆の代わりにタマゴボーロやドッグフードをまくという方法もありますが、それだったら犬が食べても害はないものの、節分の趣旨からはズレてしまうと思うんですよね。
どうして節分に豆をまくのかというと、「魔(鬼)の目に豆をぶつけて魔を滅する」ためです。
「魔目」「魔滅」を「豆」とかけているんですね。
だから、豆以外のものを節分にまいても、鬼を払う効果はないんじゃないかなと思うんです。
こういうのは気持ちの問題ですから、そういうことにこだわらないなら、犬に害のない豆以外の物をまいてもいいんでしょうけどね。
また、床に盛大に豆を撒き散らさずに、テーブルの上などにそっと置くように豆を落とすという方法もありますが、それは豆まきしている雰囲気がなくないですか?
節分といったらやっぱり、豪快に豆をまきたいと思うんですけどね。
そこで、豆が散らかって部屋が汚れるのが嫌な人がやっている豆まき方法でやってみてはどうでしょうか?
その方法は簡単!
豆を袋に小分けにして、そのまま部屋にまくんです。
適当な袋がないなら、ラップでくるんでもOK。
犬が飲み込まないように、しっかり大きめに包むといいでしょう。
最初から小分けに包装した炒り豆も売っていますから、それを使えば包む手間も省けますね。
|
この方法なら、豆まきが終わった後でも部屋が汚れないので掃除も楽ですし、まいた豆を食べられるので無駄もありません。
同様の理由で、落花生をそのまままくというのも最近ではよく行われていますが、落花生だと犬が食べてしまうかもしれませんね。
小分けにした豆でしたら、ワンちゃんが部屋にいても豪快に豆まきができるのではないでしょうか。
豆をまくというより、投げるって感じになってしまいますけどね。
これなら、タンスの隙間などに豆が入り込んでしまうこともありませんよ。
豆をまいていることには変わりはないのですから、鬼を払い、福を呼び込む効果は期待できるはずです!
まとめ
豆には食物繊維が多いので、犬が食べると消化不良を起こしてしまう可能性があります。
また、豆は「トリプシンインヒビター」という物質を多く含むので、犬が多く食べると、下痢、嘔吐、膵臓障害、アレルギーの原因になる恐れもあります。
それに、特に小型犬や子犬ですと、豆を丸呑みして喉に詰まらせてしまったり、食道や胃の入り口・出口に詰まってしまう危険もあります。
落花生も消化不良や、丸呑みによる詰まりの恐れがありますから、節分で豆まきをする際は、犬が豆や落花生を食べてしまわないように気をつけましょう。
ワンちゃんにも歳の数だけ豆を食べさせてあげようというのも、避けておいたほうが無難ですね。
豆まきの際は、犬をゲージに入れておくとか、豆の代わりに卵ボーロやドッグフードをまくという方法もありますが、袋やラッピングで小分けに包んだ豆をまくというのもオススメです。
犬が豆を食べてしまうのを避けられる上、掃除も楽ですよ。