バレンタインデーの時期など、チョコレートをたくさん食べる時期になると、特に気になる人が多いようですね。
「チョコレートを食べるとくしゃみが出るんだけど、これってどうしてだろう?」
チョコレートでくしゃみが出る原因はアレルギー? それとも何かの病気!?
くしゃみの原因になる素材を使っていないチョコレートというものもありますので、検査は必要なのか、受けるなら何科なのかについての情報と合わせて紹介します。
チョコレートを食べるとくしゃみが出る原因はアレルギー?
チョコレートを食べるとくしゃみが出る、鼻がムズムズしてくしゃみが出そうになる、という人は結構いるようです。
どうしてだか気になりつつも、くしゃみ程度だったらそこまで深刻には考えていないという人が多いみたいですね。
実は、チョコレートアレルギーというものがあって、チョコレートを食べたことが原因でくしゃみが出るという症状は実際に存在するんです。
チョコレートに含まれている原料のカカオによって引き起こされるアレルギーで、カカオアレルギー、カカオマスアレルギーとも呼ばれています。
チョコレートに使われているカカオには、チラミンという血管浮腫物質が含まれています。
血管浮腫物質というのは、簡単に言うと粘膜の一部を腫れさせる物質ですね。
その血管浮腫物質であるチラミンが、チョコレートを食べることでくしゃみが出る原因だとされています。
バレンタインデーシーズンにチョコレートを食べて、アレルギー症状が出て病院にやって来る人も多いので、チョコレートアレルギーのことを「バレンタインデー症候群」と呼ぶこともあるほどなんです。
チョコレートアレルギーだと思っても こんな症状があったら要注意!
チョコレートを食べた時に出る症状がくしゃみ程度でしたら重大な問題はないのですが、嘔吐や下痢などの症状まで出るのでしたら注意が必要です。
カカオにはチラミンだけではなく、ニッケルも含まれています。
カカオに金属のニッケルが含まれているというのはちょっと意外ですが、植物が土の中にある微量の金属を吸収して、何種類かため込んでいるということは珍しくありません。
カカオ以外でも、木の実、豆類、香辛料などは、5種類ほどの金属を含んでいるんですよ。
そのニッケルに対して、かゆみ、湿疹、嘔吐、腹痛、下痢、鼻血、痙攣などのアレルギー症状が出るケースもあるのです。
それだけではなく、ニッケルアレルギーの人がチョコレートを食べたことでアナフィラキシーショックを起こし、死亡してしまった例も実際にあるそうです。
アナフィラキシーショックとは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が体に入ったことが原因で、血圧低下、呼吸困難、意識障害などのショック症状が現れることです。
ニッケルアレルギーとチョコレートアレルギー(カカオアレルギー)は別の物ですから、チョコレートを食べるたびにくしゃみが出る人は、こうした命の危険と隣合わせにあるというわけではありませんが、くしゃみ以上の症状が出るのでしたら、くれぐれも気をつけて下さい。
さすがに、吐き気や嘔吐、激しい腹痛を起こしてまで、チョコレートをたくさん食べ続ける人もいないでしょうけどね。
もし、チョコレートを食べた時にくしゃみだけではなく、ニッケルアレルギーらしき症状も見られるのでしたら、医師の診察を受けることをおすすめします。
チョコレートアレルギーは検査してもらったほうがいい?
チョコレートを食べると決まってくしゃみが出るという場合は、何年も前からそうだったけど、別に病院で検査してもらったりはしていないという人も多いようですね。
でも中には、あまりチョコをたくさん食べすぎると、くしゃみだけではなく熱まで出るという人もいます。
あなたの場合はどうでしょうか。
症状がくしゃみだけの場合、病院に行ったほうがいいのかについて、「別に行かなくても大丈夫ですよ」などと、無責任な事はここでは言えません。
ただ、病院に行ってアレルギー検査をしてみたら、特に問題はないと言われたというケースも多いようです。
しかし、気になるようでしたら、一応調べてもらったほうが安心できますよね。
チョコレートアレルギーについては、血液検査になります。
検査の結果、チョコレートに対して大きな数値が出ても、チョコレートなどのカカオの多く含まれる食品をしばらく控えるように言われるだけで、特別の治療を必要とすることはないようです。
多くの場合、チョコレートアレルギーというのは、チョコレートの食べ過ぎによって引き起こされるそうですよ。
何年もチョコレートを食べないでいたら、もう一度検査をしてみた所、チョコレートアレルギーではなくなっていたという人もいます。
医師の診察・検査は受けないとしても、くしゃみが出る場合は、チョコレートの食べ過ぎは控えたほうがいいでしょう。
アレルギー検査は何科に行けばいいの?
近くにアレルギー科があればそちらで検査を受けられますが、アレルギー科がないなら皮膚科でも調べてもらえます。
チョコレートアレルギーでも食べられるチョコレートがある!?
チョコレートアレルギー(カカオアレルギー)でくしゃみが出るのは、チョコレートに含まれるカカオが原因ですから、カカオが含まれていなければくしゃみも出ないはずです。
そんなチョコレートがあるのかというと、実はあるんです。
カカオアレルギーの人や、ダイエットをしている人のためのチョコレートで、カカオの代わりにイナゴマメ(キャロブ)を使用しています。
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イナゴマメというのは日本での知名度は低いかもしれませんが、地中海原産の植物で、古代エジプト時代から甘味料として使われてきた歴史のある豆なんですよ。
バッタのイナゴが入っているわけではありませんので、ご安心下さい。
カカオではありませんから、もちろんカカオアレルギーの原因にはなりませんし、カフェインやアレルギー物質も含んでいません。
それでいて、カルシウム、鉄分、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいて、チョコレートに似た甘みがあります。
チョコレートを食べたいけど、くしゃみが出るし、食べ続けてアレルギーが悪化するのではないかと心配、という場合は、イナゴマメ(キャロブ)のチョコレートを試してみてはどうでしょうか。
ちなみに、普通のアレルギー対応チョコレートは、卵、乳製品、小麦粉などの食品アレルギーを持つ人のための物ですから、カカオアレルギー対策にはなりませんので注意して下さい。
まとめ
チョコレートを食べるとくしゃみが出るのは、チョコレートアレルギー(カカオアレルギー)の可能性があります。
カカオに含まれるチラミンという物質が原因で引き起こされるアレルギーで、くしゃみ程度でしたらさほど問題はないようです。
しかし、カカオに含まれているニッケルが原因のニッケルアレルギーというものもありますので、くしゃみだけではなく、湿疹、嘔吐、腹痛、下痢、鼻血、痙攣などの症状があったら、医師の診察を受けたほうがいいでしょう。
アレルギーの検査は、アレルギー科か皮膚科で受けられます。