たまに月が赤く見える時がありますよね。
赤い月は地震の前兆とも言われますけど、本当なんでしょうか?
この噂が本当なら地震予知の有力な手段になりそうです。実際、阪神大震災の前には赤い月が見られたという話も…。
ここでは、赤い月は本当に地震の前兆なのか、どうして月が赤く見えるのかについてまとめてみました。
赤い月は地震の前兆?
赤い月は阪神大震災の前日にも見られたそうです。
その日の月の出は午後4時52分でしたから、帰宅時に見た人も多かったのではないでしょうか。
それだけではなく、1923年に起こった関東大震災の2日前と前日にも赤い月が観測されたそうです。
2日前に鎌倉市長尾で赤い月が観測され、地震の前日、午後11時頃には火のように真っ赤だったといいます。
東日本大震災の前の日にも見えたという話があって、その時の写真がツイッターにもあげられたそうです。
これだけ同じことが続くと単なる偶然とは思えませんが、実際のところどうなのでしょうか。
赤い月は地震の前兆なのか、まずは、月が赤く見えるのはなぜかについて見てみましょう。
赤い月ってなぜ起こる現象なの?
月が赤く見える条件には2つあります。
1つは月の位置です。
月が登ったばかりか沈む直前、つまり地平線に近いところに月がある場合、月が赤く見えることがあります。
これは、朝日や夕日が赤く見えるのと同じですね。
空の高いところにあるときよりも、地平線に近いところにあるときのほうが、太陽や月の光は、私たちの目に届くまでにより長い距離大気の中を進むことになりますよね。
そうすると太陽や月の光は大気中で拡散してしまって、赤い波長の光だけが多く目に届くのです。
それが、太陽や月が赤く見える理由です。
2つ目は大気です。
大気中に水蒸気やチリが多いと、その水蒸気の水の粒やチリに当たって月の光が散乱してしまい、赤い波長の光だけが多く目に届くことになります。
それで月が赤く見えるというわけです。
火山が噴火した時にも、噴煙に含まれるチリによって月が赤く見えるようになります。
フィリピンにあるピナツボ火山が噴火した時にも、数日の間赤い月が見られたそうです。
月が赤く見える原理はこの2つで、地震との因果関係については単なる偶然のようです。
ではどうして、赤い月は地震の前兆と言われるのでしょうか。
赤い月が不吉と言われる理由を考えてみましょう。
赤い月って本当に不吉なの?
赤い月が地震の前兆という噂については、単なる偶然という線が濃厚のようですが、それでもやっぱり、赤い月を見たら何か起こるんじゃないかと気になってしまいますよね。
赤い月を不吉の前兆のように思ってしまうのは、赤が警告色だからでしょう。
赤信号というのも、赤というのは私たちが本能的に危険を感じる色だからですよね。
私たちが赤に危険や恐怖という感情を持ち、不吉に感じてしまうのは、赤が血や炎を連想させるからでしょう。
血は怪我や死を連想させますし、炎というのも、温かいというポジティブなイメージもある反面、火事、戦争など恐怖のイメージも合わせ持っています。
そんな恐れを抱かせる色の赤い月が漆黒の夜空に浮かんでいたら、本能的に不吉に感じてしまうだろうことは想像に難くないでしょう。
ですから、赤い月を地震のような災厄と結びつけて考えたがってしまう人も多いのではないでしょうか。
まとめ
赤い月と地震に関連があったら地震予知の有力な手段になりそうですけど、残念ながら因果関係はないようです。
月が赤く見えるのは、月が地平線に近いところにある時と、大気中に水蒸気やチリが多い時です。
赤い月には本能的に不吉なものを感じてしまうのかもしれませんが、たまにしか見られない自然現象として楽しんでもいいようですね。