雨が降るとブルーな気分になってしまう人が多いでしょうが、単になんとなくブルーな気分になるというのではなく、深刻なうつ状態に陥ってしまう、うつが悪化してしまうという方もいらっしゃいますよね。
台風や梅雨などの雨の時に体調が崩れてしまうのを『気象病』とか『天気痛』などと言いますが、うつになってしまうのもその症状の一つ。
気分がひどく落ち込んでしまうと仕事にも支障をきたしますし、なんとかしたいですよね。
今回は、低気圧がうつの発症、悪化に関係している理由とその対策を紹介します。
特に、効き目が抜群かもしれない市販薬についての情報はお見逃しなく!
低気圧でうつが悪化?その理由は?
台風や雨などで低気圧が発生すると、どうもうつ状態になる、うつが悪化するというのは、まだ医学的に因果関係がはっきり解明されたわけではありません。
でも、うつ以外の体の不調については関係がはっきりしていて、うつについても低気圧がその理由になっているであろうことは疑いようがありません。
低気圧とうつなどの体の不調の関係をこれから説明しますね。
もう知ってるから対策を教えてくれという方は、ここは飛ばして次の章に進んで下さい。
台風や雨の天気で低気圧が発生しているときというのは、上昇気流によって気圧が低下しています。
気圧が低下しているときには、空気中の酸素濃度も低くなっているのですが、そうなると私たちの体の中でも変化が生じるんです。
酸素が薄くなると当然、血液の中の酸素の量も少なくなりますが、そうなると血管が拡張します。
それが原因で、低気圧によって頭痛の症状が起こる人もいます。
それと同時に、自律神経の状態も、交感神経が活発な状態(血管が収縮)から、副交感神経が活発な状態(血管は拡張)に変化します。
交感神経が活発なときには、私たちの体は、色んな事を頑張れる緊張モードになっているのですが、副交感神経が活発になると、呼吸や脈がゆっくりになってリラックスモードになります。
仕事があるのに体がリラックスモードになってしまったら、だるさや眠気を感じてしまったりしますし、自律神経が不安定になっていて、交感神経と副交感神経の切り替わりが上手くいかないと、この時に色々と体の不調が出てしまったりするんです。
また、低気圧が発生することによる気圧の変化は耳にも影響します。
耳の中にある『内耳』という部分には気圧センサーの役割をしている器官があるのですが、低気圧が来るとこの気圧センサーが興奮状態になってしまって、自律神経が不安定になっている人の場合、めまいの症状が出てしまうこともあるんです。
このように、低気圧と体の状態というのは密接に関係していますから、雨になると副交感神経が優位になってリラックスしすぎた状態になってしまい、気分を持ち上げようとしても全然そうはならず、うつ状態になってしまったり、普段からのうつが悪化してしまったりするというのも十分に考えられることです。
それだけではなく、雨の日には日照が不足して、脳内物質のメラトニンがあまり分泌されなくなるというのも、私たちの精神に影響を及ぼしているでしょう。
天気が相手の問題だからどうしようもないと諦めてしまっていた方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。
次の章では、低気圧でうつになったり、うつが悪化してしまったりする場合の対策を紹介しますね。
低気圧でうつになってしまうならこの対策を試してみて!
低気圧でうつになってしまうという方に試していただきたい対策にも色々ありますが、その中でも特におすすめしたいものをまずは紹介しますね。
それは、市販の酔い止め薬です!
先ほど、低気圧は耳の内耳にも影響してめまいの症状を引き起こす原因になるという話を紹介しましたが、酔い止め薬というのは、内耳の働きを抑えることで乗り物酔いの症状を解消してくれる薬なんです。
ですから、低気圧による内耳への影響も緩和・解消してくれる効果が、酔い止めの薬には期待できるというわけなのです。
実際に、天気が原因のうつに長年苦しんでいた人が、酔い止めの薬を飲んでみた途端に嘘のように気分がパッと晴れたという話もあるんです。
それについては、ニュースサイトでも取り上げられていました。
佐藤氏の診療室の門をたたいた50代のある男性は、10年以上も原因不明のだるさやうつ的な症状に悩まされていた。その男性は理科系の研究開発をしており、仕事の内容は緻密さを要求される厳しいもの。産業医からの診察を受けて休職したものの、復職してもしばらくするとまた心身の不調が起こり、10年のうちに5~6回休職と復職を繰り返したという。
「そのうち、自分の症状が『天気にも左右されているのではないか』と思うようになったのだそうです。というのも天気が悪い日は、あからさまに起き上がれなくなってしまう。産業医や精神科の先生にそう訴えたものの『まあ、天気も関係あるんだろうが、今のところは天気にはなすすべがない』と言って、睡眠薬や精神に作用する薬、内科的な症状に合わせた薬を処方してもらうしかなかったそうです。そして薬を服用していても、特に劇的な改善がないまま月日だけが過ぎていきました」
そんなある日のこと。テレビで佐藤氏が天気痛について解説しているのを見た男性は、「自分の症状はこれなんじゃないか!?」と思い当たった。
「私がテレビで紹介した『天気痛には、内耳の働きをおさえる酔い止め薬が効く』という方法をとりあえず試してみようと、これから具合が悪くなりそうだなと思ったときに、市販の酔い止め薬を飲んだそうです。すると、モヤモヤ・うつうつとしていた頭が、みるみるうちにパーッと明瞭になって、驚かれたそうです」(佐藤氏)
引用元:日刊SPA!『そのうつ、実は天気のせいかも…本当は怖い「天気痛」』
低気圧でうつになってしまう、うつが悪化してしまうという方は、ぜひ一度酔い止め薬を試してみてください。
他にできる対策としては、こんなものがありますよ。
<目から光を取り入れる>
天気のいい日や、雨の日でも昼間にはできるだけ外に出て目から光を取り入れましょう。
そうすることで、脳内物質メラトニンの分泌量が増え、うつの改善に効果が期待できます。
<運動をする>
運動をすることで交感神経が刺激され、うつ対策になります。
また、筋肉がつけば血圧も高まります。低気圧で体調が悪くなってしまう場合、低気圧によって血管が拡張し、血圧が低下していますから、血圧を高めることで改善の効果が期待できるんですね。
まとめ
低気圧によってうつになってしまったり、うつが悪化してしまったりするのは、低気圧が来ると大気中の酸素濃度が低下することが、血圧や自律神経に影響を及ぼし、気圧の変化自体もまた、耳の内耳にある気圧センサーを狂わせるからなんですね。
低気圧によるうつの対策としては、市販されている酔い止め薬がおすすめです。
酔い止めは耳の内耳の働きを抑える薬ですから、低気圧による内耳への影響も緩和・解消してくれる効果が期待できます。
雨の日にはひどく気分が落ち込んでしまって、何もやる気が起きず困っているという方は、ぜひ試してみてください。