モスキート音で耳年齢がわかるっていうのがありますよね。
高さの違う『ピー』っていう音がどこまで聞こえるかで、聴覚が若いか衰えているかわかるというもの。
あれが自分の歳相応に聞こえないとショックですし、不安になってしまいます。
モスキート音が聞こえない理由は何なのでしょうか? また、歳相応に聞こえない場合、回復させることはできるのでしょうか? まだ若いのに聞こえなかったら難聴なんでしょうか?
今回は、そんな不安にお答えします。
モスキート音が聞こえない理由は何?実年齢よりも耳年齢が老けててショックなんですけど!?
まだ若いのにモスキート音が全然聞こえなくて、40代とか50代なんていう耳年齢だったらショックですよね。
他の同世代の人たちが「聞こえる!」って言ってるのに、自分だけ『シ~ン』だったらかなり焦ってしまうでしょう。
【世代別の聞こえる音域の平均】
60代:8000Hz~9000Hz
50代:10000Hz~11000Hz
40代:12000Hz~14000Hz
30代:15000Hz
20代後半:16000Hz
18~24歳:17000Hz~18000Hz
13~17歳:19000Hz~20000Hz
どうしてモスキート音が聞こえなくなってしまうのでしょうか? まずはその理由を見てみましょう。
私たちが音を聞くことができるのは、耳の中に振動を音に変換する細胞があるからなんですね。
その細胞は『有毛細胞』といって、その名の通り毛のような形をしたものなんです。
耳の奥には、長さの異なる有毛細胞が長さ順に並んでいて、短い毛が高音を、長い毛が低音をとらえて音に変換してくれています。
実は、この有毛細胞って、音を聞いているうちにだんだんすり減ってしまうんです。
高い音をとらえてくれる有毛細胞のほうが先にすり減ってしまうので、年をとってくるとだんだん高い音が聞こえにくくなってしまうんですね。
これが、年齢が高くなるとモスキート音が聞こえなくなってしまう理由です。
まだ若いのにモスキート音が聞こえないという場合は、普段大きな音を頻繁に聞いていて、この有毛細胞が人よりも早くすり減ってしまっているのかもしれません。
耳の健康のためにWHO(世界保健機関)が定めている指標によると、91db(デシベル)以上の音を聞くのは1日1時間以内に留めるのが望ましいそうです。
この基準を超えてしまうと、耳の老化が早まってしまう恐れがあるのです。
91デシベルというとこんな音があります。
・ドライヤーの音
・ハイパワー掃除機の音
・音漏れするほどのボリュームで聞いているヘッドホンの音楽
ドライヤーや掃除機の音を毎日1時間以上聞いている人はあまりいないでしょうが、ヘッドホンで音楽を聴く時に、音漏れするほどのボリュームにしているという人は結構多いのではないでしょうか。
好きな音楽だったら、1時間くらい余裕で聴いちゃいますよね。
そういう普段の何気ない行為も、聴力を悪化させてしまう原因なんですね。
こういう症状は『ヘッドホン難聴』と呼ばれます。
アメリカでは、10代の若者の5人に1人が軽度のヘッドホン難聴なのだそうです。
心当たりのある人は気をつけましょう。
モスキート音が聞こえないのって回復できるの?
モスキート音が聞こえるかどうかで自分の耳年齢がわかるというのをやってみて、耳年齢が実年齢よりもずっと老けていたらショックですし、できれば聴力を回復させたいですよね。
(結果が歳相応でも若返りたいです^^;)
実は、一度すり減ってしまった有毛細胞は、自然に再生するということはないんです。
ですから、有毛細胞がすり減ってしまったことによる聴力の低下は、本当に残念なことに回復させることはできません。
(私もがっかりです)
ただ、全く望みがないというわけではなく、『γ(ガンマ)セレクター阻害剤』という薬によって、すり減ってしまった有毛細胞を再生させることができるという研究成果が近年発表されました。
これはまだ研究段階ですが、実用化されれば聴力を回復させることができますね。
それまではあまりうるさくしないようにして、耳を大事にしましょう。
若いのにモスキート音が聞こえないのって難聴なの?
そもそも、歳相応にモスキート音が聞こえないのって不都合があるんでしょうか?
聞こえなかったら難聴なんでしょうか?
まだ若いのに耳年齢が40代とか50代なんていう結果が出たらかなりショックでしょうけど、その辺りどうなのでしょうか。
実は、モスキート音なんか聞こえなくても別に心配する必要なんかないんです。
日常生活で支障がなければ、全く気にすることなんかありませんよ(^^)
そりゃそうですよね。あんな、普段の生活の中では聞く必要もない『ピー』っていう甲高い音が聞こえないからって、困ることなんか1つもありはしません。
そもそも、モスキート音が聞こえるかどうかって、それを聞いたテレビなどのスピーカーの性能にも左右されます。
それに、人の会話に必要な音の範囲って500Hzから4000Hzですから、18000Hzとか、そんなアホみたいに高い音なんか聞こえなくたった問題ないのです。
ですから、モスキート音が聞こえなかったからって心配する必要はないですよ。
ただ、モスキート音が聞こえない事自体は別に気にしなくてもいいですけど、まだ若いのに歳相応に聞こえないという場合は、普段大きな音で音楽を聴くなど、耳を酷使しているのかもしれませんよね。それは気をつけて、耳を大事にした方がいいですね。
まとめ
モスキート音が聞こえなくなるのは、耳の奥にある、振動を音に変換するための『有毛細胞』が、音を聞いているうちにだんだんすり減っていってしまうからなんですね。
この有毛細胞は、一度すり減ってしまったらもう再生できませんから、有毛細胞がすり減ってしまったことによる聴力の低下を回復させることは、今のところできません。
でも、モスキート音が聞こえないからといって難聴というわけではありません。
人の会話に必要な音の範囲って500Hzから4000Hzですから、普段の生活に支障がなければ、モスキート音のような超高音が聞こえないことなど気にする必要はないのです。
ただ、普段ヘッドホンから音漏れするほどの大きな音で音楽を聴くなどしている場合には、そういった耳を酷使するようなことはやめたほうがいいですね。