雨の日や雨が降る前に喘息が起きて苦しくなる……原因は何なのでしょうか?
実は、喘息発作の原因は、雨自体ではないんですね。
真の原因は、雨雲を発生させる『アレ』だったんです。
喘息が雨の日に起きる真の原因は雨雲を発生させるアレだった!
どうして雨の日になると喘息が起きるのか……?
それは、気圧と関係があります。
まずは、気圧と天気の関係を簡単に説明しますね。
天気予報を見ていると、「高気圧におおわれて……」とか「発達した低気圧が……」とか、よくお天気キャスターが言っていますよね。
高気圧だと晴れで、低気圧だと雨だと、なんとなくイメージしている人も多いかと思います。
確かにその通りなのですが、それは、次のようなメカニズムによるものなんです。
高気圧は周辺よりも気圧が高く、地表付近では外に向かって風が吹き出しています。
それを補うために上空から空気が流れ込み、下降気流が発生しているため、高気圧の中では雲が発生しにくく、その結果晴れるのです。
逆に低気圧は、周辺よりも気圧が低いため、地表付近では周りから空気が流れ込み、上昇気流が発生しています。
その結果、水蒸気が上空に押し上げられることで雲が発生しやすくなり、雨も降りやすくなるのです。
どうして雨の日になると気管支喘息がひどくなるのかというのは、『雨が降るから』というより、正確には『低気圧が発生しているから』なんですね。
雨が降る前に喘息が起こって苦しくなる人もいますけど、それも、低気圧が発生していて、上昇気流によって雨雲ができやすいなっているから、というわけです。
では、なぜ低気圧が喘息の原因になるのでしょうか?
それについては、次の章で説明しますね。
雨の日に喘息が起きるのはなぜ?
低気圧が発生している時には、大気中の酸素の濃度が低下しているんです。
そうなると、私たちの体の中の酸素の量も減少します。
ちょっと難しい話になりますが、その時、体内では、血液中の『酸素分圧』というものが低下して、その結果、血管が拡張するという現象が起こっているのです。
私たちの体は、血管が拡張すると副交感神経が活発になって、精神はリラックスします。
逆に、血管が収縮すると交感神経が優位になって、精神は活発な状態になります。
雨(低気圧)で喘息が起こるのは、その交感神経と副交感神経の切り替わりが原因なんです。
低気圧のせいで血管が拡張して、副交感神経が活発になりリラックスできるなら、それはいいことなんじゃないの? と思ってしまいますが、自律神経が不調だと、この切り替わりの時にさまざまな体の不調が出てしまいます。
喘息もその一つ。
喘息以外にも、頭痛、めまい、だるさ、うつ、体のしびれ、花粉症のような鼻水やくしゃみなどの症状が出る人もいます。
特に、女性ですと、自律神経が男性よりも敏感な人が多いため、雨の日(低気圧の日)に喘息などの不調に見舞われるケースが多いようですね。
※雨(低気圧)が原因の喘息の対処法、自律神経を安定させる方法については、こちらの記事を参考にして下さい。
>『低気圧で喘息がひどくなるのはなぜ?対処法と因果関係は?』
まとめ
雨で喘息の発作が起こってくるしくなるのは、低気圧が原因です。
気圧が低いと、血管が拡張して副交感神経が活発になるのですが、自律神経の働きがうまくいっていないと、交感神経と副交感神経の切り替わりの時に体の不調が出てしまうせいです。
お天気はどうしようもありませんから、普段の喘息予防と合わせて、自律神経に負担をかけないように心がけて、雨の日の喘息が起こりにくくするように気をつけましょう。