雨や台風が接近してくると、低気圧によって体調を崩してしまう人が多いですけど、現れる体の不調は人によって様々です。
喘息がひどくなるというのもその一つ。
なぜ、低気圧によって喘息の症状が現れてしまうのでしょうか。
ここでは、低気圧が喘息の原因になってしまう理由と対処法をお伝えしますので、喘息にお悩みの方は参考にして下さい。
また、住んでいる地域の気圧の変化がわかるスマホアプリも紹介します。
低気圧の接近を前もって知ることができて、体調管理に役立ちますからおすすめですよ。
低気圧で喘息がひどくなってしまうのはなぜ?
天気が崩れて雨になったり、台風が近づいてきたりすると、低気圧で喘息の症状が出るのはなぜなのでしょうか。
雨の前日になると息苦しくなったり、体調を崩してしまう人って結構いますよね。
わからない人は、天気で体調が悪くなるなんて気の病だと思うかもしれませんが、本人にとっては切実な問題です。
実際、低気圧で喘息が起こったりするのって、れっきとした理由があるんですよ。
それがなぜなのか、これから紹介しますね。
まず、雨や台風で低気圧が発生しているときは、大気中の酸素濃度が低くなっています。
その状態だと、私たちの体の中の酸素の量も減りますよね。
そうなると、血液中の酸素分圧が下がって、血管が拡張するんです。
酸素分圧とか、ややこしい言葉が出てきましたが、体の中の酸素が少なくなると、血管が拡張するんだなと理解しておけばいいです。
それと同時に、交感神経が緊張している状態(血管が収縮している臨戦モード)から、副交感神経が活発になっている状態(血管が拡張しているリラックスモード)へと、自律神経の状態も変化します。
この、副交感神経のほうが活発になった状態というのが問題なんです。
リラックスモードなのにどうして? と思ってしまいますが、自律神経の働きが上手くいっていないと、交感神経と副交感神経の切り替わりの時に体に色んな不調が出てしまうんです。
喘息の症状が出てしまうのもその一つ。
他にも、頭痛やめまい、うつ、だるさ、しびれ、くしゃみや鼻水などの花粉症のような症状が出てしまう人もいます。
特に、男性よりも自律神経が敏感な女性の場合、低気圧によって体調が悪くなってしまう人が多いのです。
もちろん、男性なら大丈夫というわけではありません。
喘息が低気圧で起こった時の対処法は?
低気圧がやってくるたびに喘息がひどくなったりするつらい症状は、なんとかして鎮めて楽になりたいですよね。
そのための対処法を紹介しますね。
・横になるよりも上半身を起こしたほうが楽!
低気圧で具合が悪くなってしまったら横になりたくなりますけど、喘息の症状が出ている時には、上半身を起こしたほうが呼吸がしやすくなって楽ですよ。
特に、夜に発作が起こった時にはそのまま横になっていないで、上半身を起こしてみてください。
また、気道が狭くなって苦しくなってしまう症状には、ホクナリンテープが効果を期待できます。
ホクナリンテープは貼って使うタイプの経皮呼吸型の気管支拡張剤ですが、効果は24時間続きますから、夜寝る前に貼っておけば、翌日まで効果が持続します。
ホクナリンテープは医師の処方箋が必要です。
・白湯や水をたくさん飲む
薬がない時の対処法ですが、白湯や水を多めに飲むことで、乾燥を改善し、痰の切れが良くなって、呼吸が楽になる効果を期待できます。
何かをすればピタリと喘息が治まるという対処法は、残念ながらありません。
お天気はどうしようもないですし、普段から喘息予防を心がけて、つらい症状が起こりにくくしておくことが重要です。
そのためにできることは、ハウスダストやダニ、カビ、花粉、動物の毛などのアレルギーの原因になる物を遠ざける、煙草の煙は避けるといった、普通の喘息予防法と同じです。
また、自律神経が不安定になってしまいますから、暑さや冷え、空気の乾燥をできるだけ避けて、睡眠不足にも気をつけましょう。
それと、雨や台風が近づいてくるとなんだか息が苦しくなるけど、自分が喘息なのかどうかわからないという方は、きちんと医師の診察を受けて下さいね。
喘息でしたら、治療を受けることが必要です。
心配な方は、呼吸器内科で調べてもらって下さい。
低気圧と喘息の関係がわかるアプリがおすすめ!
低気圧がやってくると喘息がひどくなるという場合、低気圧が近づいてくることが前もってわかっていれば、心構えができて気持ちが結構楽になります。
そのために便利なアプリがあるので紹介しますね。
『頭痛ーる』というスマホアプリなのですが、このアプリを見れば、住んでいる地域の気圧の変化が未来の分まで確認できて便利ですよ。
自分の体調をその都度書き込むこともできますから、低気圧と自分の喘息症状の関係を知ることもできます。
私も試してみましたが、体調の記録と気圧のグラフを後から見ることで、体調の崩れと低気圧の接近がピタリと一致しているということがわかって驚きましたね。
また、『この日は低気圧で体調が悪くなりそうだから、人と会う約束は入れないようにしよう』など、予定を立てる際にも役立ちます。
スマホを持っている方は、ぜひ一度試してみてください。
まとめ
雨や台風で低気圧が発生すると大気中の酸素濃度が低くなって、それによって副交感神経が活発になるというのが、低気圧によって喘息がひどくなってしまう原因なんですね。
自律神経が乱れがちになっている方ですと、低気圧の影響で体調を崩してしまう事が多いのです。
低気圧で喘息の症状が起こった場合、上半身を起こしたほうが呼吸が楽になります。また、白湯や水を多めに飲むことも症状の改善を期待できる対処法です。
普段から喘息の予防を心がけるだけではなく、自律神経にも負担をかけないようにして、低気圧によって症状が悪化しないように気をつけて下さいね。