食中毒の心配な季節には、時折ニュースで取り上げられるO-157のことも心配ですよね。
O-157に感染、発症しないためにはどんなことに気をつければいいのでしょうか。
充分加熱した料理なら大丈夫なのではないかとつい思ってしまうかもしれませんが、それは間違いです。
ここでは、O-157の感染経路や感染防止のための情報を紹介しますので、是非チェックして下さいね。
O-157の感染経路は?
O-157、正確には病原性大腸菌O-157と言いますが、これは一体どこから感染するのでしょうか?
O-157というのは、元々家畜の大腸の中に住んでいて、感染者の大腸内にもいるものなのですが、私たちがまず注意したいO-157の感染経路は、菌の付いた食べ物です。
どのようにして食べ物に菌が付くのかというと、食材に触れた手や包丁、まな板などにO-157が付着していたということが考えられます。
O-157の付着した手で何かを触ると、後からそこに触れた人の手にも菌が付いてしまいます。
その手で料理をしたり、食材や調理器具などに触ると危ないんですね。
他にも、感染している人の排泄物に潜んでいたO-157がトイレ内に残り、掃除の際などに手に付着するといったこともあります。
感染の危険が特に高いのは、牛の生肉を食べたり、動物の排泄物に触れる行為なのですが、私たちが特に気をつけたい感染経路は、こうした接触です。
接触によって人の手から手へと広がり、時にはそれが食品に付いて人の口に入り、騒ぎになってしまうのですね。
こうした接触、気をつけなければいけないのはトイレ掃除だけではありません。それについては次の章で。
O-157の予防に手洗いは有効?
こうした接触による拡大、感染に対しては、食品を扱う業者の人が注意しなくてはいけないのはもちろんですが、私たちも当然気をつけないといけません。
そのためには手洗いが有効です。
O-157に感染している人が、手に菌がついたまま公共の場所であちこち触っているかもしれないのです。
O-157に感染していて普段通りの生活をしていられるのかと疑問に思われるかもしれませんが、O-157に感染していても、必ずしも発症するとは限りません。
O-157に感染しても重篤な症状になることはあまりなく、大抵の人は軽い下痢程度で済んでしまうことが多いそうです。
そのため、O-157に感染していることに気付かないまま、排泄をした後トイレットペーパーで拭き、その手にO-157が付着するということも起こります。
手が汚れないようにトイレットペーパーを何重かに畳んで拭いても、その手には排泄物の菌が付着しているのだそうです。
もし、トイレに行った後きちんと手を洗わず、その手であちこち触ったら…。
その触ったところにO-157が付着し、そこに触れた他の人の手にも菌が付いてしまいます。公共の場所では、不特定多数の人が触れるものがたくさんありますよね。
当然、家族内での感染というのもありえますし、私たち自身が知らないうちにO-157に感染して、感染源になっているということも起こりえます。
ですから、O-157に感染しないためにも、また、感染させないためにも、外から帰った後やトイレの後、そして料理や食事の前にはきちんと手を洗うことが重要です。
O-157って加熱調理で予防できるの?
O-157が万が一食材に付着していても、充分加熱調理すれば大丈夫なのではないかと考えますよね。
O-157は、75度以上の温度で1分以上加熱すれば死滅させることができます。
しかし、それで安心かというと、そうではないのです。
というのは、危険なのはO-157それ自体ではなく、O-157の出すベロ毒素という毒だからです。
このベロ毒素は、75度で1分くらい加熱した程度では分解されません。
ですから、殺菌のために加熱は有効であるとはいえ、食品を充分加熱してさえいればO-175に対しても安心、というわけにはいかないのです。
まとめ
発症したら怖いですが、O-157自体は、それほど繁殖力の強い菌ではありません。
あまり神経質にならずに、手洗いや食品周りの衛生に気をつけて、感染を防ぎましょう。