寒い冬が終わり春が近づいてきたら、春の花が咲くのが待ち遠しくなってきますね。
桜もいいですけど、菜の花もキレイな春の花の一つ。
身近で菜の花が見られるのは、いつ頃なのでしょうか?
ここでは、菜の花の咲く時期についての情報と合わせ、菜の花に関する豆知識を紹介します。
実は、「菜の花」って、あのアブラナの花だけではないんですよ!
菜の花の咲く時期はいつ頃なの?
桜だったら桜の開花予想とか開花前線とかがありますから、咲く時期がわかりやすいんですけど、残念ながら、菜の花前線なんてありませんからね。
桜と同じように、菜の花が花を咲かせる時期にも地域差があって、南から北にかけて開花時期が北上してくるんですよ。
地域別の菜の花の開花時期は、おおむね次のようになっています。
あなたのお住まいの地域で菜の花が見られるのは、いつ頃でしょうか?
沖縄県 | 1月~2月 |
九州地方 | 2月~5月(地域によって差が大きいです) |
四国地方 | 3月~4月 |
近畿地方 | 3月中旬~5月 |
東海地方 | 3月下旬~4月下旬 |
関東地方 | 3月中旬~4月下旬 |
東北地方 | 5月上旬~6月上旬 |
北海道 | 5月中旬~6月 |
一番南の沖縄では、1月くらいにはもう菜の花が咲いてるんですね。
逆に、一番北の北海道では、6月頃になってやっと菜の花が咲いたりと、同じ日本国内でも、開花時期にはずいぶんと地域差があります。
ちなみに、菜の花が咲く頃の沖縄の気温は、1月が最高気温19℃、最低気温14℃、2月が最高気温20℃、最低気温14℃。
同じく北海道(札幌)の気温は、5月が最高気温17℃、最低気温8℃、6月は最高気温21℃、最低気温13℃です。
菜種梅雨とは? 菜種梅雨(なたねづゆ)と呼ばれる雨があるんです
菜の花が咲く時期に降る雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼ぶんですよ。
明確にいつからいつまでと決まっているわけではありませんが、春雨前線が停滞して雨が多くなる、3月の中旬から4月の上旬頃にかけてですね。
多くの地域で菜の花が花を咲かせるシーズンです。
春の花を咲かせる雨という意味で、「催花雨(さいかう)」とも呼ばれます。
催花雨の「催(さい)」が菜種(菜の花)の菜の字「菜(さい)」に通じることから、「菜種梅雨」になったという説もあるようです。
春の雨を菜種梅雨と呼ぶ言い方、風情があっていいと思いませんか。
せっかく春になって暖かくなったのに雨が多くて鬱陶しいな、という気分の日には、これは菜種梅雨なんだなと思えば、ちょっと気持ちも明るくなれるのではないでしょうか。
菜種梅雨以外にも、植物にちなんだ雨の呼び方があるんですよ。
・たけのこが生える時期である5月初旬頃に吹く、雨を伴うことが多い南風を「筍梅雨(たけのこづゆ)」と呼びます。
・卯の花が咲いている時期である5月中旬~6月上旬に降る長雨を「卯の花くたし」と呼びます。
「くたし」というのは、「腐す(くたす)」という古語から来ている言葉で、物を腐らせるという意味があります。
卯の花を腐らせてしまう長雨、ということですね。
・「梅雨(つゆ)」という、皆さんご存知であろう言葉も植物由来です。
読んで字のごとく梅から来ていて、「梅の実が熟す時期の雨」という意味です。
菜の花にはいろんな種類がある! 黄色以外の花も
菜の花というと、黄色い花を咲かせるアブラナ(油菜)をイメージするかもしれませんが、実は、植物学的には「菜の花」という植物は存在しないんです。
菜の花というのはアブラナ科の植物の総称で、アブラ菜の他、キャベツ、大根、カブ、白菜、小松菜、カラシ菜、水菜(サラダ菜)、チンゲン菜、ミブ菜(京菜)、ブロッコリー、カリフラワー、葉牡丹(花キャベツ)、クレソンなどのことを言います。
アブラナ以外のアブラナ科の野菜も、菜の花と聞いてイメージする、アブラナとよく似た黄色い花を咲かせるんですよ。
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ですから、畑などに咲いている花を見かけて「あ、菜の花だ。キレイね~」って思っても、実はそれは、あの菜の花(アブラナ)ではなく、別の野菜の花なのかもしれません。
アブラナ科の植物の花は黄色い物ばかりではなく、例えば大根の花ですと、白だったり、薄紫色だったりします。
また、菜の花と聞いてイメージする、あのアブラナ自体にも違いがあって、スーパーなどで売っている菜の花(アブラナ)と、河川敷などに咲いている菜の花も別物なんですよ。
スーパーなどで販売されている菜の花は、食用として品種改良されたもので、河川敷などに咲いている菜の花は、セイヨウアブラナ、もしくは、セイヨウカラシナです。
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セイヨウアブラナやセイヨウカラシナは、食用にしたり菜種油を取ったりするために外国から持ち込まれたものが広がった品種で、他のアブラナ科の植物と交雑している可能性もあるようです。
アブラナ科の植物は、アブラナ科同士で交雑しやすいらしいです。
元々食用にすることも目的だったので、食べられないこともないようですが、食べると辛味が強いそうですよ。
菜の花は成長に応じて名前が変わる!
食用にもする、あの菜の花(アブラナ)って、成長の過程で名前が変わるんですよ。
・花を咲かせたもの:ナノハナ
・種ができたもの:アブラナ
どれも「菜の花」と呼んでいる人も多いと思いますが、こういう呼び名の違いがあったんですね。
ちなみに、「菜種」というのは、アブラナの種という意味もありますが、アブラナの別名でもあります。
「菜花(なばな)」というのは、食用の菜の花の、つぼみがついた先端部分です。
菜の花の花言葉と他のアブラナ科の野菜の花言葉は違うの?
あの菜の花(アブラナ)には、そのキレイな黄色い花にぴったりな花言葉があります。
・明るさ
・競争
・小さな幸せ
・財産
競争という花言葉は、小さい花たちが、空に向かって競い合うように成長している姿が由来になっているそうです。
では、他のアブラナ科の植物には、どんな花言葉があるのでしょうか?
キャベツの花言葉
「利益」
葉が幾重にも重なっている様が由来になっているそうです。
葉牡丹の花言葉
「祝福」「愛を包む」「慈愛」「利益」
利益という花言葉の由来は、見た目がキャベツに似ているからとも言われています。
大根の花言葉
「潔白」「適応力」
潔白という花言葉は見た目通りですよね。
適応力というのは、生命力が強くて、痩せた土地でもよく育つことが由来になっています。
カブの花言葉
「慈愛」「助け」「情け」「晴れ晴れと」
白菜の花言葉
「固い約束」
何枚もの葉が幾重にも重なって、固く結びついている様からついた花言葉かもしれませんね。
小松菜の花言葉
「健康になりたい」「快活な愛」「小さな幸せ」
快活と小さな幸せは、アブラナの花言葉と同じですね。
カラシ菜の花言葉
「無関心」「冷淡」
水菜の花言葉
「虚空」
チンゲン菜の花言葉
「小さな幸せ」「元気いっぱい」
これも、アブラナと似た花言葉ですね。
ブロッコリーの花言葉
「小さな幸せ」
ブロッコリーの花言葉も、アブラナとかぶってます。
カリフラワーの花言葉
「お祭り騒ぎ」
ブロッコリーと似たような感じなのに、花言葉はぜんぜん違うんですね。
クレソンの花言葉
「安定」「不屈の力」「着実」「忍耐力」「順調」
何かを成し遂げたい時に御利益がありそうな花言葉ですね。
似たものもありましたが、同じアブラナ科でも、花言葉はずいぶんと異なるんですね。
アブラナの花言葉について、こちらの記事もどうぞ。
菜の花のはちみつもオススメですが、菜の花の体操を踊るゆるキャラも一見の価値ありです。
まとめ
菜の花(アブラナ)が咲く時期は、おおむね次のようになっています。
九州地方:2月~5月
四国地方:3月~4月
近畿地方:3月~5月
東海地方:3月~4月
関東地方:3月~4月
東北地方:5月~6月
北海道:5月~6月
アブラナだけではなく、大根やキャベツ、ブロッコリーなどの他のアブラナ科の植物も、植物学的には菜の花の一種です。
今まで、あの黄色い花を見たらアブラナの花だと思っていた人も多いかもしれませんが、もしかしたら、それは他のアブラナ科の野菜の花かもしれません。
そんなことに注意しながら菜の花を観察してみるのも、楽しいのではないでしょうか。