溶連菌感染症というと子供の病気というイメージかもしれませんが、大人でも疲労などで体の抵抗力が低下している場合には、感染・発症します。
ここでは、ひどい喉の痛みなど普段の風邪とは違った症状で、溶連菌感染症が疑われる方に向けて、大人の場合の症状や治療法、何日くらい出勤を控えなければいけないのかについてお伝えしますので、不安のある方は参考にして下さい。
溶連菌感染症 大人の場合はこんな症状
大人が溶連菌感染症にかかった場合、特に多く見られる症状は、発熱と喉の痛みです。
舌に赤い発疹のできる『イチゴ舌』と呼ばれる症状も溶連菌感染症の特徴ですが、この症状が見られるのは、多くの場合子供です。子供が重症になると、発疹は体にも現れます。
イチゴ舌の症状が出ている子供と接した場合は、溶連菌感染症への感染が疑われます。
子供に多い病気なので、お子さんをお持ちの方や、多くの子供と接するお仕事をされている方は、特に感染のリスクが高いといえるでしょう。
その他の症状としては、頭痛、嘔吐、下痢、倦怠感があります。
感染してから2日から5日の潜伏期間を経て、突然症状が現れます。
くしゃみや咳などによって飛沫感染するので、家庭や学校、職場、人混みなどでうつることが多い病気ですが、大人の場合、普通の風邪だと思って、溶連菌感染症とは気付かぬまま治ってしまうことも多いです。
溶連菌はありふれた菌で、大抵の場合、免疫力の高い大人でしたら、感染しても大した症状は現れません。
しかし、疲労などで免疫力が低下している時には、大人でも重度の症状に陥ることがあるのです。
溶連菌感染症が特に流行するのは、夏と冬です。
喉の痛みや倦怠感などがあり、普段の風邪とは違うなと不安があったら、医師の診察を受けましょう。
これは、職場などの周囲の人にうつさないための配慮でもあります。
溶連菌感染症の治療法はどのようなもの?
溶連菌感染症の治療には抗生物質が用いられます。
抗生物質の薬を服用することで、2日もすれば症状はかなり和らぎます。
しかし、症状が和らいだからといって、薬を飲むのをやめてはいけません。1週間から10日程は服用を続けましょう。
これは、病気の再発防止・完治のためだけではなく、溶連菌急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの病気に繋がらないようにするためでもあります。
溶連菌感染症が重症の場合、そうした合併症まで引き起こす恐れがあるのです。
楽になったからといって素人判断はせず、薬は医師の指示通りに服用することが重要です。
また、抗生物質を服用することで、副作用として下痢症状が現れる場合があります。
抗生物質によって溶連菌が駆逐されるだけではなく、害のない腸内細菌までもが影響を受けてしまうからです。
下痢症状がひどい場合には、医師に相談してください。
溶連菌感染症の検査は、喉についている菌を綿棒で採取して調べるだけですので、簡単に終わります。
溶連菌感染症に大人がかかった場合 出勤はいつからできるの?
溶連菌感染症にかかった場合には、周りの人に感染させないためにも外出は控えなければいけません。
ちなみに、溶連菌感染症の完治には2週間から3週間かかります。
では、2、3週間も出勤を控えなければいけないのかといいますと、そんなことはありません。
抗生物質を服用してから24時間程で溶連菌感染症の感染力はなくなります。
ですから、薬を飲んでから1日か2日経てば、出勤しても問題はないのです。
大人の場合でしたら、最低でも診察を受けた日と、その翌日は休む必要がありますね。
また、溶連菌感染症と診断された場合、お勤め先によっては出勤許可証明書が必要な所もありますので、確認しておいて下さい。
まとめ
溶連菌は、免疫力の高い大人なら大して恐れる必要のない菌ですが、疲労などで体の抵抗力が低下している時には感染・発症してしまい、普通の風邪以上の辛い症状に見舞われてしまいます。
しかし、抗生物質を服用することで症状はすぐに治まりますので、ひどい喉の痛みなどがあって、溶連菌感染症ではないかと思ったら、すぐに医師の診察を受けましょう。
症状が和らいでも、薬はきちんと飲み続ける必要がありますので、気をつけて下さいね。