秋が旬の秋刀魚って脂が乗っていて美味しいですよね。
でも、秋が旬のはずなのに、どうして1年中売っているんでしょうか?
その辺のことを知っておくと、適切な時期においしい秋刀魚を買うことができるんですよ。
逆に、それを知らないと、あまり美味しくない秋刀魚を高く買ってしまうことにも…。
ここでは、秋が旬なのに1年中売られている秋刀魚の疑問と、秋刀魚のカローや栄養について紹介します。
秋刀魚の旬って秋なのに1年中売られてるのはどうして?
秋刀魚というと秋が旬というのは有名ですけど、スーパーなどには1年中売ってますよね。秋が旬のはずなのに、どうしてなのでしょうか?
確かに秋刀魚というのは秋から冬(9月から11月)にかけてが旬で、この時期に漁獲されるんですけど、この時に漁獲したものを冷凍しているから1年中売ることができるんですね。
秋刀魚は決まった海域を回遊している回遊魚で、日本の近くの秋刀魚は、産卵のため秋に日本近海を通ります。
そのため、秋に秋刀魚の漁獲量が増えるわけです。
また、この時期の秋刀魚は産卵のために栄養を蓄えていますから、脂が乗っているのです。
こうして漁獲されたさんまは漁船の船内、または漁港で急速冷凍されるので、鮮度を保てるようになっています。
ですから、一番脂の乗った10月頃に漁獲・冷凍された秋刀魚であれば、はしりの9月頃の生秋刀魚よりも味が良かったりします。
はしりの時期の秋刀魚は脂の乗りがイマイチで、大きさも小型のものが多いです。にもかかわらず値段は高めですから、秋のはじめ頃だったら冷凍の秋刀魚を買い、冬近く(10月~11月)に脂の乗ったものが流通するようになってから生秋刀魚を買うのがお得ですね。
本来であれば、秋刀魚にかぎらず魚や野菜などの食材は旬にだけ食するようにしたほうがいいのでしょうけれど、私たちが1年中食べたがってしまっているから、冷凍などの流通システムが発達しているんですね。
食生活が豊かになっているのは確かにありがたい一方、季節感がなくなってしまって、魚や野菜の旬がわからなくなってしまっているのはどうなんだろうと思います。
私自身、海の幸や野菜の旬を当てるクイズ番組を見ていても、わからないものが多いですし^^;
秋刀魚のカロリーは焼くとこれくらい減る!
脂の乗った旬の秋刀魚はとても美味しいですけど、脂が乗っているだけにカロリーが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、秋刀魚のカロリーというのは、焼くことでいくらか減るんですね。
例として、150gの秋刀魚で焼く前と後のカロリーを比較してみると、このようになるそうです。
生の秋刀魚(150g)
可食部:105g
カロリー:325kcal
焼いた秋刀魚(119g)
可食部:83g
カロリー:248kcal
焼いた秋刀魚のグラム数が減っているのは、焼くことで水分が失われるからです。
150gの秋刀魚の場合、焼くことでカロリーが77kcal減りましたから、約24%カロリーをカットできるんですね。
これは、その秋刀魚が漁獲された時期、脂の乗り具合によっても違ってくるのでしょうけど、焼くことでいくらかカロリーを減らすことはできるわけです。
でも、秋刀魚というのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれます。
EPAは血液をサラサラにして、コレステロール値も下げてくれるので、脳卒中や脳梗塞の発症・再発を防ぐ効果があり、DHAには、記憶力を良くする効果や、脳の老化を予防する効果があります。
ですから、あまりカロリーを気にしすぎずに、適度に食べたほうがいいですね。
とは言え、確かに秋刀魚というのは他の魚に比べて脂が多いですから、おいしいからといって食べ過ぎると摂取カロリー量が多くなってしまいます。
体重が気になる場合は、程々にしておいたほうがよさそうですね^^;
秋刀魚にはこんなに栄養豊富!
秋刀魚に含まれる栄養はDHAやEPAだけではありません。
それ以外にも体にいい栄養が豊富に含まれているんですよ。
ビタミンA
皮膚や目の粘膜を丈夫にしてくれます。
ビタミンAの摂り過ぎは特に妊娠中の女性にはよくないのですが、がんの予防にも効果があるので、適度に摂取したい栄養素です。
ビタミンB2
細胞の成長・再生、粘膜保護に効果のある栄養素です。
ビタミンB12
赤血球の生成に必要な栄養素です。貧血の予防・改善のために鉄分をしっかり摂っていても、ビタミンB12が不足していては効果がありません。
貧血が気になる人は、ビタミンB12もしっかり摂りましょう。
ビタミンD
カルシウムの吸収に重要な働きをしている栄養素で、丈夫な骨を作るのに必要不可欠です。
骨粗しょう症の予防のためにも、しっかり摂りたい栄養ですね。
ビタミンE
毛細血管の血行をよくし、過酸化脂質の形成を抑えることによるアンチエイジング効果も期待できる栄養素です。
カルシウム
魚といえばカルシウムですよね。当然秋刀魚にも豊富に含まれます。
丈夫な歯や骨を作るために、しっかり摂りましょう。
また、カルシウムには神経を鎮める効果もあります。カルシウムが不足するとイライラしがちになるというのも有名な話ですね。
ナイアシン
ナイアシンというのはビタミンの一種で、アルコールを分解する働きをしています。
タウリン
某栄養ドリンク剤に1000mg含まれることでも有名ですが、タウリンには疲労回復だけではなく、胆汁酸の分泌を促進し、肝臓の働きを助ける効果があります。
ナイアシンのアルコール分解の効果と合わせて、お酒で疲れた肝臓を回復させるのにうってつけの栄養素ですね。
まとめ
秋刀魚は産卵のために秋に日本近海にやってくるので、その時期に多く漁獲されます。
産卵をするには栄養をつけないといけませんから、秋の秋刀魚は脂が乗っていて美味しいわけです。
その時に漁獲された秋刀魚を冷凍しているので、1年中売っているんですね。
はしりの9月頃の秋刀魚は、脂があまり乗っていなくて、大きさも小型のものが多いです。
ですから、はしりの生秋刀魚よりも、脂の乗った10月頃に漁獲され冷凍された秋刀魚のほうが美味しいというのが、秋刀魚を買う際の注意点ですね。
味で劣るだけでなく、はしりの秋刀魚は値段も高め。
9月のはしりの時期には冷凍サンマを買って、10月から11月に脂の乗ったものが流通するようになってから生秋刀魚を買うのが上手な買い方です。
美味しいだけではなく、体にいい栄養も豊富ですから、秋には是非秋刀魚を食べたいですね。