印鑑の種類の違いについてこれまで特に意識したことがなくて、銀行印も認印も同じようなもんだろうと思っていた方も結構いらっしゃるのでは?
もしかして、銀行印と認印を兼用で使ってしまってはいませんか?
それってとっても危険なことなんですよ!
あなたの大事な預金がごっそり奪われるなんてことのないように、銀行印と認印の違いをしっかり知っておいて下さいね。
銀行印と認印の違いは?兼用で使うのはとっても危険!
まず、銀行印と認印の違いですが、同じ印鑑でも使いみちも重要度も全く違いますから、とっても重要ですよ。
・銀行印
銀行に登録する印鑑。預金の出し入れや定期に使うのがこの印鑑です。
シャチハタの印鑑は登録できません。
・認印
荷物の受取など、サイン代わりに家庭でよく使われる印鑑です。
登録の必要はありません。
銀行印に使われるような印鑑と認印に使われる印鑑には、作りや見た目に関して、こういうものでなくてはいけないという細かい規定があるわけでもなく、認印に使われるような安い三文判でも銀行印として登録することもできます。
(シャチハタなど例外もあります)
ですから、極端な話、100円ショップに売っているような印鑑でも銀行印として使えてしまうのです。
ですが、そのような大量生産されている印鑑・三文判ですと、全く同じ印影の印鑑が全国に無数に存在しますよね。
もしあなたの通帳が奪われて、あなたが使っている銀行印がそうした全く同じ印影のものが容易に手に入る印鑑だったらとしたら、通帳とその同じ印鑑を銀行に持っていくだけであなたの預金を引き出せてしまいます。
ですから、銀行印には、そのような同じ印影のものが大量生産されているような印鑑を登録するべきではないのです。
また、銀行印として登録している印鑑を認印としても使用して、あちこちに簡単にポンポン押しているのも非常に危険です。
印影からその印鑑を偽造することも、できる人には簡単にできてしまいます。
もし悪意を持った人にあなたが押した印鑑の印影が渡って、それが銀行印としても使われていることを知られて、通帳も奪われたら……危険ですよね。
銀行印というのは、金庫の鍵、もしくはパスワードのようなものです。
銀行印を荷物の受取などに使う認印としても使って、簡単にポンポン押してしまうのは、あなたの財産が入った金庫の鍵のコピーをそこらじゅうにまき散らしているのと同じ行為なのです。
ですから、銀行印と認印は兼用にするのは絶対に避けて、それぞれ別の印鑑にするべきです。
銀行印は、銀行以外の場所では使わないようにして、印影が極力人目に触れないようにしましょう。
また、銀行印は同じ印影の印鑑が大量に存在するような物ではなく、手彫りの物にしたほうが安全です。
若干高くはなりますが、ここでケチって財産を失っては元も子もありません。
銀行印と認印を兼用にしていた方、同じ印影の物が多く存在する量産品の印鑑を銀行印にしていた方は、早めに銀行印を変更なさったほうが良いでしょう。
認印でしたらどのような物でも構いません。認印としてしか使わないのでしたら、100円ショップに売っているような量産品の三文判でも大丈夫です。
銀行印の変更って新しい印鑑だけ持っていけばいいの?
銀行印を新しい物に変更する場合ですが、新たに登録したい印鑑だけではなく、それまで使っていた印鑑も持っていったほうが手続きがスムーズに進みます。
新しい印鑑だけで手続きできる銀行でも、その場合は通帳だけではなく、免許証やパスポートなどの顔写真付き身分証も提出する必要があります。
保険証などしかなく、顔写真付きの身分証を提示できない場合は、自宅に郵便物が送付されてきて、それで本人確認をするという手間がかかることもあります。
それはそうですよね。それくらい厳重にしてくれないと、通帳を盗んだ人が登録した銀行印を変更したいと言って手続きをして、預金を引き出すということもできてしまいますから。
それまで使っていた銀行印を紛失してしまったという場合には、「喪失改印届」などと呼ばれる手続きが必要になります。
届けの呼び方は銀行によって違うようです。
紛失届を出して銀行印を変更する場合は、手続きの完了まで預金の引き出しなどができなくなるかもしれません。
キャッシュカードがあるのでしたら、事前に必要なお金を引き出しておいたほうがよいでしょう。
どちらにしても、銀行印を変更する場合は、新しい印鑑と、それまで使っていた印鑑の両方を持っていったほうが簡単です。
銀行印には偽造防止に優れたものを!
現在の技術では、銀行印の印影から全く同じ印影の印鑑を偽造することも簡単にできてしまいます。
そのため、最近では通帳に印鑑を押さないようになってきていますし、押してあっても、印影の上から緑色の半透明のシールが貼ってあったりします。
しかし、そうした銀行印の偽造対策をしてくれてはいても、銀行では預金の引き出しの際に大した本人確認なんてしていませんよね。
銀行での本人確認は印鑑が全てで、せいぜい性別が違ったら怪しまれるくらいでしょう。
ですから、預金を守るには、偽造されにくい印鑑を銀行印にして、自分で自衛するより他にありません。
最初の章でお伝えしましたように、100均などの量産品の印鑑を銀行印にするなど論外ですし、銀行印を認印としても使うのももってのほかです。
銀行印には、三文判のように同じ印影のものが大量に出回ってなどいない、手彫りの印鑑を登録すれば安心度がぐっと増します。
手彫りの印鑑を銀行印として登録しても、それを人に預けたりすれば偽造される恐れがありますから、扱いにはくれぐれも注意して下さい。
特におすすめの印鑑は、名字だけではなく、花の透かし彫りまで一緒に手彫されている印鑑です。
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花のイラストは多数の種類があって、書体も自由に選ぶことができるので、組み合わせは3万通り以上にもなります。
全く同じ印影の印鑑が存在する可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。
高度な彫刻である透かし彫りとも相まって、偽造はとても難しい印鑑です。
こうした印鑑を銀行印として登録して、それを厳重に管理していれば、印鑑の偽造に関してはまず安心です。
まとめ
銀行印と認印の違いですが、銀行印は銀行に登録する印鑑で、預金の出し入れや定期に使う印鑑、認印は荷物の受取など、サイン代わりに家庭でよく使われる印鑑です。
銀行印が偽造されたら、あなたの預金が不正に引き出されてしまう恐れがありますから、銀行印の印影はみだりに人目に晒さないようにするべきです。
ですから、一つの印鑑を銀行印と認印の両方として兼用するのは絶対に避けましょう。
また、同じ印影の物が多数存在する量産品の印鑑を銀行印として登録するのも危険です。
そのような印鑑を銀行印として登録しているのでしたら、しっかりした印鑑にできるだけ早めに変更したほうがよいでしょう。
その際には、それまで使っていた印鑑と、新たに登録したい印鑑の両方を銀行に持っていったほうが、手続きがスムーズに進みますよ。
銀行印には、偽造防止のために手彫りの印鑑を選んだほうが安心です。