行楽や遠足、運動会などのお弁当、あるいは学校や職場での昼食にと、おにぎりを作る機会は多いですが、気になるのは衛生の問題。
おにぎりを作るときはラップを使う人と、素手で握る人がいらっしゃるでしょうが、果たしてどちらがいいのでしょうか。
おにぎりを作る時はラップと素手どっちがいいの?
おにぎりはラップを使って作るのと、素手で作るのとではどちらがいいのか。
結論から言いますと、ラップを使うことをおすすめします。
おにぎりについて気になることといったら、味やにおいもそうですけど、やっぱり一番心配なのは衛生の問題ですよね。
素手で握ると、手についている細菌やカビがおにぎりに移ってしまい、それらが時間とともに繁殖します。
そうした細菌やカビは、手を入念に洗っても落としきれず、爪やシワ、指紋の間に残ってしまい、完全に取り除くのは不可能なのだそうです。
自宅ですぐに食べるのでしたら素手でもいいでしょうが、外で食べるために持っていくのでしたら、ラップを使って作ったほうがいいでしょう。
また、塩を使っておにぎりを握れば、塩の殺菌効果で大丈夫なのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは効果がないそうです。
塩鮭に使うほどの大量の塩を使えば別ですが、おにぎりに使う程度の量では殺菌効果は望めないのです。
おにぎりはラップで作ったほうが食中毒防止になるの?
おにぎりの衛生については、特に、食中毒が気になる暑い季節に心配になりますよね。
なんと、黄色ブドウ球菌によって引き起こされる食中毒の約4割は、おにぎりが原因なのだそうです。
おにぎりによる食中毒を防ぐには、先ほどご紹介しましたように、ラップを使って握ることがとても有効です。
もちろん、ラップを使うにしても、事前に手をよく洗うこともお忘れなく。
それ以外にも、おにぎりが冷めてから海苔を巻くようにすることも対策になります。
まだおにぎりが温かいうちに海苔を巻いてしまことで、雑菌の繁殖を助けてしまうのだそうです。
海苔を使いたいのであれば、おにぎりが冷めてから巻きましょう。
また、梅干しを使うことも、おにぎりによる食中毒の予防になります。
梅干しには強い殺菌効果があるので、食中毒が心配でしたら、おにぎりの具にに梅干しを使うことをおすすめします。
ただし、殺菌効果があるのは梅干しの近くだけですので、おにぎりの真ん中に梅干しをそのまま入れても十分な効果が得られません。
食中毒防止のためには、梅干しをほぐして、おにぎり全体に行き渡るように混ぜて握りましょう。
おにぎりをラップに包んでおいたら黄色く変色するのはどうして?
作ったおにぎりを数時間後に食べようとしたら、ご飯が黄色く変色していた、なんてことがありますよね。
もしかしたら腐ってしまったのではないか、食べたらお腹を壊してしまうのではないかと心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、あれは心配ありません。
おにぎりが黄色く変色してしまうのは、ご飯に含まれるメラノイジンという物質が表面に出てくることによって起こる、メイラード反応というものなのだそうです。
お米の鮮度が落ちて起こる現象ですが、菌の繁殖などによるものではありませんし、おにぎりを包んでいたラップの成分が溶けだして色がついたわけでもありませんのでご安心を。
また、塩を使って握った場合も、塩に含まれるにがり成分とお米が反応して、おにぎりが黄色くなってしまう原因になることがあります。
お米の組織にはアルカリに反応して黄色くなる性質があるのですが、にがり成分はアルカリ性です。
そのため、にがり成分を多く含む塩で握ると、おにぎりが黄色くなってしまうのだそうです。
作ってからかなり時間が経っているとか、保存状態がひどかったというのでなければ、おにぎりが黄色くなっていても心配はないようですね。
まとめ
よく洗って綺麗になったように見える手にも、実はたくさんの細菌やカビが残っています。
おにぎりを作るときはラップを使うことが、食中毒対策としてとても有効です。
行楽や遠足、運動会などの学校行事、そして普段の生活の中でも、おにぎりを安心して食べられるようにしっかり衛生対策しましょう。