お盆には田舎に帰省したり、迎え火や送り火を焚いたりするお宅も多いでしょうが、そもそもお盆とはどういう行事なのでしょうか?
旧盆などという言葉もあって、お盆って一体いつからいつまでの期間なのかなど、ちょっとややこしいですよね。
ここでは、お盆の期間と意味や由来、そして、お盆に飾るあのなすやきゅうりの飾りについて紹介します。
お盆とは期間はいつからいつまでなの?
お盆と言ったら、多くの人にとっては8月の13日からの4日間だと思います。
この期間に田舎に帰省したり、休みを利用して旅行に行ったりしますものね。
でも本当は、8月13日からの4日間は『月遅れの盆』なんです。
元々は、旧暦の7月13日からの4日間がお盆でした。
明治になって、太陽暦(新暦)が取り入れられてからややこしくなったのですが、新暦の7月13日からの4日間は農作業の忙しい時期だったということで、お盆を1ヶ月送らせて『月遅れの盆』にしたのだそうです。
当時は日本国民の大多数が農業に従事していましたから、新暦の暦と実生活のズレをそうやって調整する必要があったんですね。
旧暦の7月13日からの4日間、元々のお盆期間は、今の暦の8月20日前後にあたります。
この期間が『旧盆』です。現代の多くの人にとってのお盆である『月遅れの盆』よりもちょっと後なんですね。
ということで、お盆の期間には、
・7月13日からの4日間(旧暦の盆)
・8月13日からの4日間(月遅れの盆)
・8月20日前後(旧盆)
の3つがあるということになります。
お盆とはそもそも何か?どういう行事なの?
お盆と言ったら、迎え火を焚いて、あの世から帰ってくるご先祖様をお迎えする日というのは多くの人が知っているでしょうが、お盆ってどういう由来で始まった行事なのでしょうか?
お盆というのは、正式には『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と言いますが、これはインドの言葉『ウラバンナ』から来ています。
ウラバンナというのは、逆さ吊りにされたような地獄の苦しみという意味で、地獄の苦しみを味わっているあの世の人々を供養によって救おうというのが、盂蘭盆会のルーツであるウラバンナだったのです。
釈迦の弟子、目連尊者(もくれんそんじゃ)がある時、神通力によって、他界した彼の母が地獄の餓鬼道に堕ち、逆さ吊りにされて苦しんでいることを知ります。
目連尊者が母を救う方法を釈迦に相談すると、釈迦は「夏の修行の済んだ後、7月15日に僧侶を招き、供え物を用意して供養をすれば母親を救えるだろう」とおっしゃいました。
目連尊者がその通りにすると彼の母親は救われ、極楽に行けたのだそうです。
このウラバンナが日本に伝わると、そこに日本古来の祖先信仰が合わさり、今の盂蘭盆会、お盆へとなっていきました。
日本で初めてお盆が行われたのは、推古天皇の時代、606年だったそうです。
その頃は、仏教が日本に受け入れられてからすぐの時代。お盆には想像以上に長い歴史があったんですね。
お盆飾りのなすときゅうりの意味と飾り方
お盆には、なすやきゅうりに割り箸などを脚として刺した物を飾ったりしますが、あれってどういう意味があるんでしょうか。
なすは牛を、きゅうりは馬をかたどっています。
ご先祖様が帰ってくるときは、きゅうりの馬で早く来てもらい、帰りはなすの牛でゆっくり帰って欲しいという意味が込められているのです。
一般的な飾り方ですが、ご先祖様は東から帰ってくるので、きゅうりの馬は西向きに置きます。
反対に、帰りは東へと向かっていくので、なすの牛は東向きに置きます。
これは宗派などによって違う場合があります。
迎えるときは両方とも内向き、送るときは両方とも外向きという飾り方もあるそうです。
外向き、内向きというのは、盆棚や仏壇など、なすやきゅうりの飾りを置く場所に向かって、外向きか内向きかということです。
きゅうりの馬となすの牛は一緒に作って12日には飾り、お盆の期間中はずっと置いておきます。
お盆が終わったら、なすときゅうりのお盆飾りは、埋めるか川や海に流すかします。
それができなくてゴミに出す場合は、塩で清めてから半紙などの綺麗な白紙に包んで処分しましょう。
ちなみに、あのお盆飾りの足は、正式には割り箸ではなく迎え火を焚くのに使う「おがら」で作りますが、そこはあまりこだわらなくてもいいかと思います。
まとめ
お盆には、ご先祖様への感謝と、安らかにいて欲しいという気持ちが込められています。
どうでもいいですが、私が子供の頃は、この期間中なんだかご先祖様一堂に終始見られてるような気がして、お風呂とか色々やりにくかったです(笑)
意味をきちんと知って、お盆の風習を大事にしたいですね。