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大文字焼きの文字の意味 過去には犬文字焼きになったことも!

投稿日:2016年6月27日 更新日:

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京都市で毎年8月16日に行われる大文字焼きといえば、あの「大」の字が特に有名ですよね。

大の字以外にも、船の形や鳥居の形をかたどった物もあって、あれらはどうしてなんだろうと、その意味や由来が気になります。

 

ここでは、大文字焼きの大の字や、それ以外の文字の意味を紹介します。

文字の意味も気になる大文字焼きですが、過去には「犬」文字焼きになってしまったこともあったんですね。

その理由とは…。

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大文字焼きの文字の意味は何?

大文字焼きでは、「大文字」「舟型」「妙法」「左大文字」「鳥居型」の5種類の文字や形が五山で灯されますが、これらの文字の意味は何なのでしょうか。

特に有名な「大」の字の意味だけではなく、他の文字の由来も気になります。

1つずつ、その意味や由来を見てみましょう。

・舟型

舟型が点灯される船山の麓には、西方寺があります。

舟型は、西方寺の開祖である円仁が、唐から無事に帰ってきた事に由来するのではないかという説があります。

他にも、精霊船を模しているのではないかという説もあります。

 

・妙法

妙法の文字が点灯される松ヶ崎には、涌泉寺があります。

鎌倉時代の僧日像が「妙」の字を、江戸時代の僧日良が「法」の字を書いたと伝えられています。

 

・鳥居形

愛宕神社の鳥居が由来とも伝えられています。

この鳥居形だけは、他とは違って薪を井桁に組まずに点火されます。

 

・左大文字

この左大文字は、他の文字とは違い、ずっと時代を下った江戸時代中頃に始まったものです。

東山の大文字が室町御所の池に映っているのを見て、大北山にこの左大文字を点灯するようになったのが由来です。

同じ大の字でも、この左大文字は太くて雄々しいのが特徴。

明治時代には、この大の字に一画加えて「天」の字にしたこともあったそうです。

 

・大文字

実は、なぜ「大」の文字なのかは、はっきりしていないのだそうです。

由来については諸説あります。

 

・大の字は星を表していて、悪霊を払う五芒星を意味しているのではないかという説

 

・星は星でも、北極星を表しているのではないかという説

昔、北極星は「北辰」と呼ばれ、不動の北辰は神の化身とされて信仰の対象になっていたそうです。

北極星はずっと位置を変えませんから、昔の人には神秘的に見えたんでしょうね。

その北辰をかたどった大の字を不動の山に灯したのが、大文字焼きのそもそもの由来だったのではないか、という説です。

 

・弘法大師が大の字の形に護摩壇を組んでいた事に由来するのではないかという説

弘法大師は、人体になぞらえた大の字の形に護摩壇を組んで供養し、また、国家の安泰、五穀豊穣、悪魔退散を祈願していたと伝えられています。

 

 

大の字の由来、気になりますね。

最初の頃にやっていた人たちは由来をちゃんと知っていたけど、それがだんだん忘れられていってしまったんでしょうか?

今、やっている人たちは、古くからの伝統だからという事に価値を感じて、しっかり伝承しているんでしょうけど、昔は、『俺たち、何でこんなことやってんだろう…?? 「大」って何??』っていう疑問を抱いた人たちもいたんでしょうか。

 

大文字焼きのそもそもの意味は?

点灯されるそれぞれの文字の意味については謎の多い大文字焼きですが、そもそものこの風習の意味は何なのでしょうか。

 

大文字焼きというのは、お盆に帰ってきた先祖の霊を再びあの世に送るための送り火です。

ですから、正確には大文字焼きではなく、「五山送り火」といいます。

京都では「大文字焼き」という言い方は不適切とされているらしいですから、気をつけましょう。

 

大の字をかたどった文字を点灯する行事は各地にありますが、京都のものが五山送り火、俗に言う大文字焼きとして特に有名ですね。

 

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大文字焼きが犬文字焼きになったことがある?

この大文字焼き(正確には五山送り火ですが)、過去には「犬」文字焼きになってしまったことがあったんですね。

 

時は1970年代、学生たちが五山送り火の行われる前日に大の字が点灯される山に隠れて、当日大の字が点灯されるや、そこに一画加えて「犬」の字にしてしまったそうです。

加えた一画は火を焚いたのではなく、懐中電灯を使ったらしいですが、送り火でこれはちょっと笑えないですよね。

当然、京都市民は面白がるどころか非難轟々。学生たちはこっぴどく叱られたそうです。

 

この事件(?)に着想を得たのかどうかは知りませんが、こんな小説もあります。

『八月の犬は二度吠える』(鴻上尚史 著)

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大学入試に失敗し、京都の予備校に通う若者たちが大文字焼きに一画加えて「犬」の字にしようと計画します。

でも、それは実現には至らず、時は過ぎて24年後…。

その時の若者たちが、40過ぎのいい大人になって、大文字焼きを「犬」文字焼きにするために再挑戦します。

友達の彼女を好きになってしまったりして、青春って感じですけど、中年になってからの再挑戦の意味と行方は果たして…。

実は、24年ぶりに再開した友人は…。

 

オヤジたちも、こっぴどく叱られるんでしょうか?

ネタバレはしませんので、気になる方は手にとってみて下さい。

 

まとめ

大文字焼きの肝心の「大」の字の由来については諸説あって、はっきりしたことは残念ながらわかっていません。

それでも祖先の霊を送る送り火として、今も大事に受け継がれているんですね。

京都に行った際には、そんな伝統ある行事に敬意を表して、ちゃんと「五山送り火」と呼びたいと思います。

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執筆者:


  1. chappy より:

    大文字を焼くのではありませんから「大文字焼き」とは言いません。「大文字(五山)の送り火」です。

  2. やまぶき より:

    chappyさん、コメントありがとうございます。

    ここでは敢えて、広く知られているであろう
    俗称の「大文字焼き」で通しましたが、
    やっぱり、こだわりのある方には気になってしまうんですね。
    ご指摘ありがとうございました。

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