桃の節句のひな祭りといえば、おひな様を飾ったり、ちらし寿司を食べたりしますけど、ひなあられもありますよね。
どうしてひな祭りには、ひなあられを食べるのでしょうか?
そこには、意外すぎる由来がありました。
ここでは、ひなあられの驚きの起源や、あの色の意味を紹介します。
子供にもわかりやすく説明してあげて、親子でひな祭りを楽しみましょう。
ひなあられの意味にまつわる意外すぎる歴史 子供にも教えてあげよう!
ひな祭りには、どうしてひなあられを食べるのか?
その由来を探ってみると、意外な事実が浮かび上がります。
なんと、昔のひな祭りでは、おひな様と一緒に外にお出かけしていたんです!
今ではちょっと考えられませんね。
どういうことなのか、順を追って解説していきます。
ひな祭りの起源は、中国から伝わった、「上巳(じょうみ/じょうし)の節句」という風習でした。
上巳の節句というのは、藁(わら)や草で作った人形で体をなでて、災厄を移してから川に流して厄払いをするというものです。
この上巳の節句に、平安時代、貴族の女の子の間で行われていた「ひいな遊び」という、紙のお人形を使ったおままごとのような遊びが結びついて、「流し雛」という風習へと変化していきます。
昔のひな祭りでは、シンプルなお人形に厄を引き受けてもらって流すことで、子供の健やかな成長を願ったんですね。
江戸時代になって、人形作りの技術が発展して立派なひな人形が作られるようになると、ひな人形は、流すものから飾るものへと変化していきました。
今のように、ひな人形を飾るようになったのは、江戸時代になってからだったんです。
鳥取県鳥取市の「もちがせの流しびな」
奈良県五條市の「吉野川流し雛」
兵庫県たつの市の「龍野ひな流し」
埼玉県さいたま市の「人形のまち岩槻流しびな」
など。
でも、江戸時代のひな祭りには、今とは大きく違う点がありました。
それが、おひな様と一緒のお出かけです!
「雛(ひな)の国見せ」と言って、お天気のいい日にひな人形を外に持ち出して、山や海、野原などの風景をおひな様に見せてあげていたんだそうです。
お人形を連れた遠足かピクニックといった感じですね。
この雛の国見せでは、ひな人形と一緒に、お菓子も持っていきました。
そのお菓子というのが、ひな祭りにちなんだ食べ物である、ひなあられだったんですね。
ひなあられの由来は、江戸時代の女の子が、おひな様と一緒のピクニックに持っていったおやつだったんです。
ひな祭りといえば、菱餅(ひしもち)も飾ったり食べたりしますよね。
ひなあられは、外に持っていって食べやすいように、菱餅を小さく砕いて作ったのが由来だと言われています。
子供にはどう説明する?
ひなあられのユニークで意外すぎる意味については、小さい子供にも説明しやすいのではないでしょうか。
例えば、こんなふうに教えてあげてはどうでしょう。
「昔は、ひな祭りにおひな様と一緒にお外にお出かけして、おひな様にお外のキレイな景色を見せてあげていたんだって。
その時に、ひなあられを持っていって、お外で食べたんだって。
ひなあられは、おひな様と一緒のピクニックに持っていく、おやつだったんだよ」
こんな話を聞いて、子供が、おひな様とお出かけしたいと言い出しても困っちゃいますけどね。
ひなあられの意味はあの色にも込められています
ひなあられには決まった色がありますよね。
3色、もしくは4色で、3色なら赤、白、緑、4色なら赤、白、緑、黄です。
ひなあられの、これらの色にもちゃんと意味があるんですよ。
桃の花を表しています。 また、赤い色を出すために使われている梔子(くちなし)には解毒の効果があり、昔から、魔除けの効果もあると信じられてきました。 清浄、雪を表しています。 使われている菱の実には、その繁殖力の強さから子孫繁栄を願う意味が込められていて、菱の実を食べて千年生きた仙人の伝説にちなみ、長寿の願いも込められています。 菱の実には、血圧を下げる効果もあります。 春の新緑を表しています。 使われている蓬(よもぎ)は、古来より厄除けの霊草として重んじられてきました。 そのため、緑色のひなあられには、厄除けや健康祈願の意味があります。 また、よもぎには、造血効果もあります。 よもぎは、桃の節句だけではなく、端午の節句にも使われますね。 ひなあられが4色で、赤、白、緑だけではなく黄色もある場合、別の意味も加わります。 4つの色は、春夏秋冬の四季を表現しているそうです。 赤(ピンク)=夏 黄=秋 白=冬 4つの色で四季を表すことで、一年の幸せを願う意味も込められているんです。 ひなあられを子供と一緒に食べながら、その意味を教えてあげるのもいいですね。 「ピンク色のは桃の花の色で、白は雪の色、緑は春の葉っぱの色だよ」 といった感じに。 4色のひなあられだったら、 「緑が春で、ピンクは夏、黄色が秋で、白は冬っていう意味もあるんだよ。 一年ずっと、元気でいられますようにっていう意味があるんだよ」 と教えてあげるといいですね。 ひな祭りのような伝統行事って、大人でもあまり知らないような由来や意味があったりしますよね。 ともすれば、意味もよく知らずに、ただなんとなくひな人形を飾ったりするだけになってしまいがちです。 そんなひな祭りをより楽しめるように、親子でひな祭りをテーマにした絵本を読んでみてはいかがでしょうか。 ちょっと変わった、楽しいおひな様のお話だけではなく、ひな祭りの由来が子供にもわかりやすく学べるお話もあります。 特に人気の高い絵本を厳選して紹介しますね。 「もりのひなまつり」 作・絵:こいでやすこ 出版社:福音館書店
江戸時代には、ひな人形を外に連れ出す「雛の国見せ」という風習がありましたが、この絵本では、おひな様たちが自分で森へお出かけします。 ねずみに頼まれて森へ行き、動物たちと楽しいひな祭りを過ごしますが、帰ってきたら服もお顔も汚れてしまっていて・・・。 優しい語りに、ワクワクするストーリー。 ひな祭りの時期には、幼稚園や保育園での読み聞かせでもよく使われている絵本です。 「おひなさまのいえ」 作:ねぎしれいこ 絵:吉田朋子 出版社:世界文化社
こちらの絵本に登場するおひな様たちも、自分たちで外へとお出かけしていきます。 でも、こっちのおひな様は、お店で売れ残ってしまって、「自分たちの住む家は自分たちで探す」と言って冒険に出るという斬新な展開。 でも、見つけたお家には、すでにこけしや五月人形がいたりして、なかなか住む家を見つけられません。 途中、川を流し雛が流れてきました。 おひな様たちは、流し雛のわらの舟に一緒に乗って川を下っていきます。 そして、ボロボロの家にたどり着き・・・。 フェルトや本物の着物の生地を使った絵も、とってもキレイな絵本です。 「ひなまつりにおひなさまをかざるわけ」 作:瀬尾七重 絵:岡本順 出版社:教育画劇
この絵本は、ひな祭りの由来になった流し雛についてのお話で、ひな祭りがどのように始まった風習なのかを学べる内容になっています。 熱が下がらなくなってしまった妹のおはなと、そんな妹を必死で看病する兄の三郎次。 三郎次が愛情をこめて作った木切れの人形がおはなを救ってくれる、心温まるお話です。 ひな人形に元々どんな意味が込められていたのか、幼い子供でも理解できるでしょう。 「ひなまつりルンルンおんなのこの日!」 作:ますだゆうこ 絵:たちもとみちこ 出版社:文溪堂
こちらの絵本も、ひな祭りの由来について楽しく学べる内容になっています。 ひな人形が元々災いや病気の身代わりとされていたことだけではなく、どうして3月3日がひな祭りなのかなど、大人も勉強になるお話です。 おうちの女の子がお出かけしている間に、おひな様が猫の背中にまたがって外に飛び出していってしまうなど、とっても愉快なストーリー。 おひな様の冒険のお話を読めば、ひな祭りをより身近に感じて、楽しめるようになると思いますよ。 ひなあられって、ひな人形と一緒にお出かけする「雛の国見せ」という江戸時代の風習が由来で、お出かけの時に持っていくお菓子として作られた物だったんですね。 ひなあられのこの意味は、多くの人にとって意外なものだったのではないでしょうか。 こうした由来や起源を知っていると、ひな祭りなどの季節の行事をより楽しめると思います。 お子さんにもぜひ教えてあげてくださいね。ひなあられで4色の物の意味は?
ひな祭りをテーマにしたこんな絵本もおすすめ!
まとめ