ようこそいらっしゃいませ。
あなたは、どのような経緯でこのブログの記事にたどり着いたのでしょうか?
多くの方が「啓蟄 けいつち」などとパソコンやスマホの検索窓に入力して、こちらにいらしたことと思います。
「『けいつち』と打ち込んだのに、どうして『啓蟄』と変換されないんだろう? 『啓蟄』は『けいつち』って読むんじゃないの?」
などと思われたのでしょうか?
誠に残念ですが、「啓蟄」は「けいつち」とは読まないんです。
啓蟄をけいつちと読んでしまったりするのって結構ありますよね
「啓蟄」は、「けいつち」ではなく、正しくは「けいちつ」と読みます。
啓蟄とは、二十四節気の一つで、土に潜って冬ごもりしていた虫たちが這い出してくる、という意味ですね。
「啓」は、「開く」という意味で、
「蟄」は、「虫などが土の中に潜って閉じこもる」という意味になります。
この2つの漢字が合わさって、「閉じこもっていた虫が出てくる」という意味になるんですね。
虫が土から出てくるという意味だから、つい「けいつち」と読んでしまうのもわかります。
「啓蟄」の「蟄」の字は、「蟄居(ちっきょ)」の「蟄(ちつ)」の字です。
蟄居というのは、昔の武士が刑罰として命じられた自宅謹慎のことですね。
大河ドラマや時代劇で、「蟄居を命じる!」なんていうシーンを見た覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
蟄居といのも、家に閉じこもって外に出ないという意味ですから、虫が土の中に閉じこもっているという「啓蟄」の「蟄」の字の意味と同じです。
また、「蟄(ちつ)」の字は、「蟹(かに)」の字に似ているのも紛らわしいかもしれませんね。
啓蟄の「蟄」は、「執」の字の下に「虫」と書きます。
蟄
「蟹(かに)」の字は、「解」の字の下に「虫」と書きます。
蟹
この漢字も読み間違いやすいので注意!
啓蟄をけいつちと読んでしまうように、ついつい読み間違えてしまったり、きっとそう読むに違いないと勘違いしたままになっている漢字も結構あるかもしれません。
世間でも、そういう人は少なくないようですから、特に読み間違いやすい漢字をピックアップしてみました。
啓蟄という言葉は、日常会話の中で使うことは滅多にないですが、ビジネスシーンなどでよく使う言葉の中にも読み間違いやすい漢字はいくつもありますので、気をつけたいものです。
※カッコの中が正しい読み方です。
乳離れ(ちばなれ)
×ちちばなれ
これは多くの人が読み間違えていたのではないでしょうか?
パソコンで「ちちばなれ」と打ち込んで変換しようとしたら、「父離れ」が真っ先に出てきました。
貼付(ちょうふ)
×はつりけ
慣用読みで「てんぷ」とも読みます。
(※慣用読みとは、正しい読み方ではないけど、よく用いられる読み方のことです)
添付(てんぷ)
×そうふ
貼付(ちょうふ)を「てんぷ」と慣用読みで読んでいると、こちらの添付と紛らわしいですね。
続柄(つづきがら)
×ぞくがら
住民票などでよく目にする漢字ですけど、「ぞくがら」と読み間違いしていた方も多いのでは?
依存心(いそんしん)
×いぞんしん
(※「依存」は本来「いそん」と読むのですが、「いぞん」という読み方も一般化しつつあります)
漸く(ようやく)
×しばらく
「しばらく」は「暫く」と書きます。
確かに、ちょっと似ていて紛らわしい漢字ですよね。
早急(さっきゅう)
×そうきゅう
ビジネスシーンでも、「早急に対応いたします」などという形で、よく使われる言葉ですね。
代替(だいたい)
×だいがえ
他人事(ひとごと)
×たにんごと
この漢字は、テレビなどでも読み間違いが目立ちます。
ちなみに、「人事」と書くと「ひとごと」ではなく「じんじ」と読みますね。
あり得る(ありうる)
×ありえる
琴線(きんせん)
×ことせん
逝去(せいきょ)
×ききょ いきょ
他人の死に敬意を込めた尊敬語で、身内には使わない言葉ですね。
有名人の訃報でもよく目にする漢字です。
七回忌(しちかいき)
×ななかいき
凡例(はんれい)
×ぼんれい
汎用(はんよう)
×ぼんよう
所謂(いわゆる)
×しょかつ しょせん
「しょせん」は、漢字で「所詮」と書きます。
遵守(じゅんしゅ)
×そんしゅ
粗利益(あらりえき)
×そりえき
進捗(しんちょく)
×しんぽ
出納(すいとう)
×しゅつのう
相殺(そうさい)
×そうさつ あいさつ
疾病(しっぺい)
×しつびょう
廉価(れんか)
×けんか
雰囲気(ふんいき)
×ふいんき
これもよく聞く読み間違いですね。
間髪(かんはつ)
×かんぱつ
一応(いちおう)
×いちよう
耳で聞くと「いちよう」「いちよ」などと聞こえたりもしますので、読み方も間違えて覚えている人が少なくなさそうです。
読本(とくほん)
×どくほん よみほん
書籍のタイトルでもよく見かけますけど、「どくほん」などと読んでいた人もいるのでは?
肉汁(にくじゅう)
×にくじる
出汁(だし)
×でじる
子供の漢字の読み間違いは面白い!
大人でも漢字は時折読み間違いをしてしまいますが、まだ漢字を覚えたての子供の場合、大人には思いもよらない読み間違いをすることもしばしば。
そんな、子供による面白い漢字の読み間違いをよりすぐってみました。
「少し拘ったスイカです」(すこしこだわったスイカです)
→少しくさったスイカです
(スーパーの果物コーナーに書かれていた漢字だそうです)
「祝い酒」(いわいざけ)
→のろいざけ
「コンクリートの塊」(コンクリートのかたまり)
→コンクリートのたましい
「石川啄木」(いしかわたくぼく)
→いしかわぶたき
「盂蘭盆」(うらぼん)
→もらんぼん
「夕刊」(ゆうかん)
→たもり
「串カツ」(くしかつ)
→なかなかカツ ちゅうちゅうカツ
(「串」を「中 中」と読んだんですね)
「小児科」(しょうにか)
→こじか
「歯科」(しか)
→はか
「助手」(じょしゅ)
→たすけて
「相模女子大」(さがみじょしだい)
→すもうじょしだい
「栗」(くり)
→あく(悪)
「都合がいい」(つごうがいい)
→とかいがいい
番外編 子供限定ではない面白い漢字の読み間違い
切磋琢磨(せっさたくま)
→きっさぶたまろ
米原子力空母(べい げんしりょくくうぼ)
→まいばらこぢからくうぼ
清水次郎長男の涙(しみずじろちょう おとこのなみだ)
→しみずじろう ちょうなんのなみだ
珠玉(しゅぎょく)
→くすだま
なか卯(なかう)
→なかたまご
小女子(こうなご)
→しょうじょし
選抜(せんばつ)
→せんぬき
生乳(せいにゅう)
→なまちち
巨峰(きょほう)
→きょにゅう
虫酸が走る(むしずがはしる)
→むしさんがはしる
まとめ
漢字の読み間違いは誰にでもよくあります。
中には突拍子もない間違いもあったりしますから、啓蟄(けいちつ)を「けいつち」と誤読してしまうくらい、大したことはないのかもしれません。
そもそも啓蟄って、虫が土から出てくるという意味ですから、けいつちだと勘違いしてしまいがちですよね。
でも、仕事などで言い間違えてしまうと、相手が「?」となってしまう言葉もありますから、漢字の読み間違いには気をつけたいものです。