読書感想文といったら国語の夏休みの宿題の定番ですが、嫌ですよね(笑)
中学生だと原稿用紙5枚以上とかノルマを課されたりしましたが、私もアレは嫌で嫌でw
でも、ちょっとしたコツを掴めば原稿用紙5枚くらい簡単に書けるんですよ。
(5枚以上でも大丈夫!)
ここでは中学生向けに、読書感想文の書き方のテクニックを紹介します。
題名の付け方や文章の構成のコツが分かれば、もうあらすじをダラダラ書いただけの、全然感想文になっていない読書感想文とはおさらばです。
夏休みの宿題で感想文を書く人も、夏休みじゃないけど感想文を書かないといけない人も参考にどうぞ。
読書感想文の書き方 中学生編 題名の付け方はこんな感じで
まず、一番最初に原稿用紙に書くのは読書感想文の題名・タイトルという人が大半でしょうが、ここでどんな題名をつけますか?
『○○(読んだ本のタイトル)を読んで』
って書いてしまう人が多いのではないでしょうか?
(私も中学生の時そうでした)
はい、これダメですね。
読み手の目に一番最初に飛び込んでくるのが題名なんですから、こんな味も素っ気もない、つまらなそうな題名を付けては損ですよ。
きっと、ほとんどの人が『○○を読んで』って書いてるでしょうけど、その中でひと味違ったキラリと光る題名を付けていたら、先生も「おっ!」と思うはず。(たぶん)
ではどんな題名をつければいいのかというと、その本を読んで感じたこと、思ったこと、考えたことをそこに表現すればいいんです。
感想文の内容をその一行に凝縮するわけですね。
たとえば、そうですね…。
『人の本当の強さとは』
『○○のために今私たちができることは』
『○○の生き方から学んだ3つの大切なこと』
本を読んでいれば、何かしら感じたり、考えさせられたりするものですよね。
主人公や登場人物たちの生き方や困難、悩み、挑戦なんかに自分に重ね合わせて、『自分じゃなかなかここまでできないな』とか、『こんな状況だったら、自分ならどうするだろう』とか、『なんでそんなことするんだ』とか…。
ここで、『おもしろかった』とか『かわいそうだった』とか『かっこよかった』とかしか感想が出てこないのだとしたらヤバイです。小並感です。
本の中の、自分の人生とは別の人生を疑似体験することで、そこから、それまでの自分にはなかった価値観とか考え方とか経験なんかを得たりして、人生の幅を広げるのが読書の醍醐味なんですね。
つまり、読書感想文っていうのは、何を考えたか、何を思ったか、どんな新しい考え方を得たか、どんな問題意識を持ったかなどを書いていけばいいわけです。
ですから、その本を読んで自分が一番大事だと思ったこと、その本の最も重要なテーマだと思ったこと、考えさせられたことなどを入れて、読書感想文の題名を付けてみてください。
すぐには題名が思い浮かばないという場合は後回しにしてもいいです。
感想文を書き終わってから考えましょう。
読書感想文の書き方 中学生編 文章の構成はこのように
読書感想文を書くときの構成ですけど、これがわかってないと、ダラダラとあらすじなんかを書いて、その合間合間に『○○だと思った』とかの感想をちょこっと挟んで、とりあえず文字数のノルマだけをクリアするっていう、とてつもなくつまらない感想文になってしまうんですね。
実は、出来の良い読書感想文の構成って、面白い物語の構成と基本的には同じなんです。
その構成というのがどんなものなのかというと、物語の場合だとこうです。
旅立ち
↓
戦い
↓
勝利
↓
帰還
主人公が旅に出て、出会いや葛藤などを経て成長し、困難を乗り越え、戦いに勝利して故郷に帰還する。
これは小説だけではなく、映画、ドラマ、漫画、アニメ、さらには神話などでも一緒で、ヒット作のシナリオの王道パターンとなっています。
話によっては、旅に出るわけでも戦うわけでもないものもありますけど、進学するとか、就職するとか、引っ越しするとかで新たな環境に移ることも基本的には旅立ちと同じです。
また、そこで恋愛して失恋・破局の危機を乗り越えようとするとか、夢を叶えようとして困難を克服しようとするなんていうのも戦いと一緒です。
そして、恋の相手と結ばれてゴールインしたり、夢を叶えたりといったことが勝利、そして最後のハッピーエンド(帰還)となるわけですね。
(打ち切り漫画だと、『俺達の戦いはこれからだ!』ってなっちゃったりしますけどw)
これをどうやって読書という経験に当てはめるのかといいますと、こんな感じです。
本との出会い
↓
自分のことを振り返って色々考える
↓
本の登場人物やストーリーから大切なことを学ぶ
↓
精神的に成長する
この構成で文章を組み立てていけば、読み手にとっても読んでいて面白い読書感想文になります。
それでは、それぞれの章について、どんなふうに書いていけばいいのか紹介しますね。
第1章 本との出会い
まず、出だしの『本との出会い』ですが、これは、本屋でその本を見つけてレジに持っていったことについて書くというわけではありません(笑)
○○というテーマにひかれて手に取りましたとか、主人公の立場が自分と同じなので興味を持ちましたとか、その本を読んでみたくなったきっかけってありますよね。
まずはその辺りについて書いていきましょう。
友人にすすめられてとか、噂になっているからとか、その本を知ったきっかけについて書いてもいいですね。
読書感想文のために仕方なしに適当に選んだ本を読んだのだったりしたらそんなものないかもしれませんが、その場合は、『仕方なしに読み始めた本でしたが、読み進むうちにどんどん物語に引きこまれ、一気に読んでしまいました。』…などと、ウソでもいいから書いておきましょう(笑)
ウソでもいいからなんて言うと語弊があるかもしれませんが、本音でなくても、とりあえず求められている答えを出しておくってことも必要です。しょせん社会ってそういうものです。
その本がいかに素晴らしかったか、読書という経験がいかに心を豊かにしてくれるかという思いを込めながら、少し大げさなくらいに書いてやります。
そうすれば大人は『よしよし』と喜びます。
『読み終わった後、しばらくの間は何も考えられず、物語の余韻に浸りました』
『○○という内容だと思って読んでいたら、自分が思っていた以上の内容で、驚き、そして感動しました』
『主人公は自分と同じ中学生ですが、彼は自分とは違って○○で、色々なことを考えさせられました』
などなど…。
読書感想文の出だしの部分は、本の細かい内容には触れなくていいですから、その本を読んでどんな気持ちになったか、その本がどんなに素晴らしかったかなどについて、まずはざっくりとした感想なんかを書き連ねておきましょう。
ここでちょっと大げさな表現を使って気持ちを書いていけば、活き活きとして面白い感想文になるだけでなく、文字数も稼げて一石二鳥ですw
第2章 自分のことを振り返って色々考える
出だしの部分を書き終わったら、次は、自分の経験について書いていきます。
その本を読んで、自分と照らしあわせて思うことって色々ありますよね。
自分の場合はこうだったとか、主人公はこうしていたけど自分はそのようにはできずに、あんな風にしてしまったとか、○○(登場人物)はあんなひどいことをしたけど、自分がそんなことをした時は(された時は)どうだったとか…。
そんなことを書いていくわけです。
『主人公は○○な目に遭いましたが、自分にも同じような経験があって共感しました』とか、
『○○の時に△△した主人公とは違って、自分はそんな時□□してしまいました』とか…。
要するに、自分の身を振り返って色々考えたり、反省したり、登場人物を反面教師にしたりして、そこからよりよい生き方、よりよい考え方なんかを模索していこうってことですね。
そんな体験談、自分の考えなんかを人に聞いてもらうような感じで、この章は書いていきます。
第3章 本の登場人物やストーリーから大切なことを学ぶ
自分の経験を書いたら、その次は、読んだ本の内容についての解釈、分析などについて書きます。
感動したところ、考えさせられたところ、それは違うだろうと思ったところなどについて、自分はそれをどう思うか、どう感じたかを書いていくわけです。
この章が一番重要ですね。いわば、読書感想文のメインディッシュです。
読んだ本の中で特に重要だった部分について取り上げて、それについての考えや感想、登場人物がどうしてそうしたのかについての自分の分析などをしっかり書くことで、『おもしろかった』とか『かわいそうだと思った』とかしか書いていないような、アホみたいな物とはレベルの違った読書感想文になります。
最終章 精神的に成長する
最後の締めは、その本を読んで自分がどう変わったのか、どうなりたいのかについて書きます。
まっすぐ生きていくぞ、強く正しく生きていくぞ的なことを書いて、ハッピーエンドで締めくくりましょう。
『僕は、この本から○○の大切さを学びました』
『△△の生き方は、私に□□の尊さを教えてくれました』
そんな言葉をはさみながら、明るく正しく生きていくぞという、絵に描いたような『未来に羽ばたく若人』っぽい決意表明的なことを書けば綺麗にまとまりますよ。
感想文の題名をまだ書いていなかった人も、ここまで書けば、この感想文で自分が特に大切だと思ったこと、感動したところなどが見えてきているのではないでしょうか。
それを元に、感想文の題名を決めてしまいましょう。
ここまでしっかり書いた感想文だったら、『○○を読んで』なんていう、そっけない題名を付けちゃもったいないですよね。
まとめ
読書感想文は、
本との出会い
↓
自分のことを振り返って色々考える
↓
本の登場人物やストーリーから大切なことを学ぶ
↓
精神的に成長する
という構成で書くとクオリティの高いものになります。
感想文のタイトル・題名も、『○○を読んで』なんてつまらないものにしないで、その本を読んで一番大切だと思ったことなどが伝わる物にするといいですよ。
夏休みの宿題で読書感想文を書く中学生の皆さんも、夏休みじゃないけど感想文を書かないといけない中学生の皆さんも、脱あらすじダラダラ感想文を目指して頑張ってください。
(私が中学生の時は、あらすじダラダラ感想文でした^^;)